Facebbokに仮想通貨リブラ(Libra)の開発停止求める、米国下院金融サービス委員会が声明発表

フェイスブックが6月18日に仮想通貨プロジェクト「リブラ(Libra)」の計画を発表したことを受けて、米国下院金融サービス委員会のマキシン・ウォーターズ(Maxine Waters)委員長が同日、フェイスブックに対して同プロジェクトの開発停止を求める声明を発表した。

プライバシー問題とデータ取り扱いも指摘

発表しされた声明文のなかでウォーターズ委員長はで次のように述べている。「フェイスブックは何十億もの人々に関するデータを持っており、これまでプライバシーの保護とこれらのデータの取り扱いについて軽視してきた。また、ロシアの諜報機関などを含む悪意のある人物やそのアカウントから人々を守れていない」。

仮想通貨はブロックチェーンを使用することによって、高いセキュリティを担保することができる。しかし、フェイスブックのこれまでの取り組みから見ると、企業としてプライバシーの保護といった観点に欠けているとみえるのは事実だろう。

実際にFacebookは巨額の罰金を課された過去があり、連邦取引委員会の命令を受けている状態であり、広告に関しても政府から訴えられている。そのような状況であっても、Facebookはサービスの拡大を続けており、一般の人々に対する保護は未だに行えていない。そのうえで、仮想通貨市場は投資家、消費者、そして経済に強力な保護を提供するための明確な規制が欠如している状態にある。

リブラ(Libra)の開発停止を求める

またウォーターズ委員長は、「規制当局は、プライバシーと国家の安全保障上の懸念、サイバーセキュリティのリスク、および仮想通貨によって引き起こされる取引のリスクについてさらに慎重になるべきだ」とし、「フェイスブックの過去の問題を考えると、議会とい規制当局がこれらの問題を検討し、仮想通貨に対する明確な規制が行われるまでプロジェクトを停止させることをフェイスブックに求める」とコメントしている。

これに対して、フェイスブックの広報担当者は、同社は議員の疑問に回答することを楽しみにしているとの見解を示している。

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参考
The United States House Committee on Financial Services

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