FXの「経済指標」とは?見方を知るのが重要なポイント

為替レートの動きを予想し、その予想通りとなれば大きな利益を得ることができるFX。

為替レートは日本や世界の経済の流れを刻々と織り込みながら変化していきます。
そのため、FXで一番大事なことは経済の流れをよく観察し動きを敏感に感じ取ることと言ってもいいでしょう。

経済の流れを知るうえで助けになるのが各種の経済指標です。

FXとは?メリット・デメリットやFX事業者や口座比較など初心者に分かりやすく解説

FXの「経済指標」とは

FX(Foreign Exchengeの略)は正式には外国為替証拠金取引といい、少額の証拠金を預け入れ、その何倍もの金額の外貨を売り買いし、買付金額と売却金額の差額により決済する取引です。

雇用や貿易、物価、金利など経済の構成要素の状況を数値で表したものが経済指標です。

為替レートはいろいろな要因が絡み合って決まりますが、それら要因のなかで最も大事なのは日本や世界の経済の動向であることは明らかでしょう。経済の動向の状態を測る体温計の役割をするのが経済指標です。

経済指標とひとことで言っても、世界では日々多数の経済指標が発表されています。
それらを全てみることはとてもできませんが、全ての指標をみる必要はなく、マーケット参加者たちの多くが注目する一部の指標だけをみればいいでしょう。

あまりみられていないような指標にまで視野を広げれば却って相場の流れを読み誤ることになりかねません。

FXで重要な経済指標を紹介!見方は?

GDP(国内総生産)

GDPはGross Domestic Productの略で、ある国の国内で一定期間内に生み出された付加価値の総額のことです。

マーケットではGDPの絶対値よりも成長率(伸び率)のほうが景気の状況を表す指標として重視されます。
速報値と確定値とが発表され、事前の予想と速報値とが乖離していたときや確定値が速報値と大きく異なるときには為替レートが大きく動くことがあります。

米国雇用統計

米国雇用統計は、米国労働省が発表する雇用情勢に関する指標です。

原則毎月第1金曜日ニューヨーク現地時間の8時30分に発表されます。

失業率、非農業部門就業者数、週労働時間、平均時給、労働参加率等全部で十数項目の指標から成り、なかでも非農業部門就業者数は世界で最も注目される経済指標と言えます。

発表直後に為替レートが大きく動くことが多く、中長期的な相場の転換点となることもしばしばあります。

小売売上高

小売売上高は、国内の小売業・サービス業の売上金額を合計したもので、その国の個人消費の動向を表す指標です。

GDPのなかで個人消費の占める割合は大きいので(米国で7割弱、日本で6割弱)、経済の状況をよく反映した指標でもあります。
米国小売売上高は商務省により原則対象月の翌月第2週に発表されます。

天候や季節によるブレが大きい指標で、1月に発表されるものはクリスマス商戦の結果が反映されるため特に注目されます。

米国の小売全体に占める自動車販売のウェイトが大きく自動車販売は新車発売時や販売店によるプロモーションなど景気以外の要因にかなり左右されるため、自動車を除いた部分(コア売上高)もあわせて発表され、大いに注目されます。

鉱工業生産

鉱工業生産指数は、機械、電気機器、自動車、食料品、鉄鋼など鉱工業品の生産金額を過去の特定時期(基準年)を100として指数化したものです。

鉱工業生産部門の企業の活動状況を知ることができる指標で、米国の場合はFRB(連邦準備理事会)により毎月中旬に発表されます。

鉱工業生産の動向はGDPと強い相関関係があり、GDPは四半期に一度の発表なので毎月発表される鉱工業生産指数はGDPを占う速報性の高い指標として注目されます。

各種景況感指数

景況感指数は、現在の景気や今後の見通しについて、消費者やアナリストに対して行ったアンケート結果を数値化したものです。

米国のISM製造業景況感指数はISM(供給管理協会)によるアンケート結果で、製造業の購買担当役員が5項目(新規受注、生産、雇用、入荷遅延、在庫)について「良くなっている」「同じ」「悪くなっている」の選択肢から回答した結果を点数化しています(50が好況と不況の分岐点)。

毎月第1営業日に発表されるので、景気の先行指標として注目されます。

米国では、ISM非製造業景況感指数、民間調査機関のカンファレンス・ボード発表の消費者信頼感指数、ミシガン大学のサーベイ・リサーチ・センター発表のミシガン大消費者信頼感指数も注目されます。
欧州では、ドイツの民間調査会社ZEW(欧州経済研究センター)がアナリストや機関投資家に対し行うアンケート結果であるZEW景況感指数、ドイツの大手経済研究所であるIfo経済研究所がドイツ企業に対し行うアンケート結果であるIfo景況感指数が特に注目されます。

ADP雇用統計

ADP雇用統計は、米国の大手給与計算代行業者であるADP(Automatic Data Processingの略)が自社の顧客データ(約50万社)を元に発表する月ごとの雇用者数の増減を表す指標です。

労働省による雇用統計の非農業部門雇用者数と強い相関があり、雇用統計の2日前に発表されることから雇用統計の先行指標として注目されます。

FOMC

FOMC(Federal Open Market Committeeの略。連邦公開市場委員会)は、米国の金融政策が決定される機関で、そこで現在の景況判断と政策金利の誘導目標等が議論され、発表されます。

FRBの理事7名とニューヨーク連邦銀行総裁を含む地区連邦銀行総裁5名で構成される、原則として年8回開催されます。

FXおすすめ口座

DMM FX

DMM FXは、オンラインゲーム、動画配信、電子書籍等のインターネット関連サービスを提供するDMM.comのグループ会社であるDMM.com証券が運営するFXサービスです。

DMM.com証券はDMM FX以外にも外為ジャパンFXというFXサービスを展開しており、両者を合わせるとFX口座開設数は日本国内最多の70万口座を誇っています。

豊富な通貨ペア(全20種類)を提供しており、スプレッド(売りと買いの価格差)は業界最少レベル。
約380の金融機関からの即時入金に対応し各種豊富な取引ツールも提供しています。

外為ジャパンFX

外為ジャパンFXは、DMM FXと同じくDMM.com証券が提供するFXサービスで、スプレッドやスワップポイント(通貨ペアの間で生じる金利差調整分)は外為ジャパン、DMM FXいずれも同じですが、取引単位は外為ジャパンFXは1,000通貨からと、DMM FXの10,000通貨に比べて小さい単位で取引することができます。
通貨ペア数は全15種類。

FXブロードネット

FXブロードネットは、株式会社ブロードネットが提供するFXサービスです。口座数は20万弱となり、スプレッドはDMM.com証券が展開する2サービスと同じく業界最小レベルで、取引単位は1,000通貨から。

通貨ペアは全24種から選ぶことができます。為替レートがターゲットレートに到達したら自動的に売買をするシステム「トラッキングトレード」を提供しています。

FXは経済指標の見方をマスターして勝つ


経済指標を読まなければいけないと聞けば、すごく大変なことをしなくてはならないと感じるかもしれません。

しかし世界で日々発表されるあらゆる経済指標をチェックする必要はなく、ここで記したような主要な指標だけをみれば十分でしょう。
そして、それらの指標を数ヶ月間追い続ければ、その指標にどういう意味があるのか、それによって為替レートがどう動くかといったことがおのずとわかるようになってきます。

FXを始めれば、利益を出したいという気持ちから経済指標をみる習慣ができ、発表された経済指標の結果どのように為替レートが変動するかと考えるうちに、国際経済についての知識が自然と身についていきます。

趣味として、もしくはサイドビジネスとしてFXをするだけで、エコノミストと呼ばれる専門家たちと大差がないくらいに経済に詳しくなることができるでしょう。

おすすめの記事