シンプルな決済が、やさしい社会をつくる【Visaのタッチ決済インタビュー】

タッチ決済が身近に感じられる時代になってきた。世界中で利用されているVisaだから提供できるタッチ決済の魅力について、ビザ・ワールドワイド・ジャパンの山田昌之氏に話を伺った。

全世界のユーザーにキャッシュレス手段を提供

店舗側が抱えている決済の課題とは?

もちろん店舗の大小、あるいは業態によってもみなさん違うと思います。日本の場合はずっと現金が主体の決済方法でした。昨今、例えば実際の加盟店の現場でも人が足りなかったり、あるいは外国の方も働くようになってきて、現金を扱うというものに対して当然いろいろとコストがかかるような構造になっています。

とはいえ現金がハンドリングできるようであれば現金での支払いになりますが、場合によっては何千何百何十円と細かく出すこともあれば、お釣りが必要な時もありますよね。このへんの手間が非常にかかるかなと。人手不足ですから本来は自分たちのサービスに集中すべき部分に手が回らないような状況は大きな問題と認識はしていますね。


導入済みの店舗の業態や規模は?

対面で商売をされている大手の店舗はだいぶ導入されていると思います。つい最近ですと日本郵便でも導入されました。郵便局でもカードは使えるようになったということもテレビで放映されて、かなり広がってはきています。

ただ一方で、いわゆる中小事業者や、自営でやられている店舗ですと、経済産業省のキャッシュレスプログラムによってだいぶ加盟店の取り扱いが増えてはきているんですが、まだ現金のみみたいなところはあるかなとは思っていますね。

店舗側がVisaのタッチ決済を導入することの一番大きなメリットとは?

やはり日本も海外も含めてですが、Visaはユーザーが多いのが特徴です。店舗の現場での問題という話をした時に、現金オンリーだったものが今度は逆に色々なキャッシュレス決済の手段が入ってきてしまったという、実はここの問題もみなさん抱えていらっしゃるんですよ。店の業態や何人で営業しているか、どういった方が支払いに関わっているかによってもだいぶ違うとは思うんですが、全ての決済方法に対応する負担も結構あるわけです。もちろんそれによって端末代も場合によって高くなることもあります。

そういった中でユーザー側の視点で見た場合に、やはり一番ユーザーが多くいるところはひとつ大きなポイントになってくるところかなと。我々は国内も海外も含めてユーザー規模が大きいからこそ、Visaの決済を導入することによって色々な方にキャッシュレスの手段を提供するという価値があるのではないかと思っています。


新しい顧客の獲得にも繋がっていますか?

実際我々の過去の調査によると、特に外国の方の視点で見た場合に、お店でカードが使えるか使えないかって結構大きいです。Visaのマークがあることによって、そこは少なくともVisaのカードが使えるんだなということで利用額が増えたりなど、あるいはVisaが使えるからこそそこで購入をした、そういった調査結果は出ています。

日常使いに適した利便性

新しく導入する店舗はVisaのタッチ決済対応が多くなってきていますか?

そうですね、今はだいぶ増えてきています。代表的なのはローソンさん、マクドナルドさんは早めに導入されています。最近ですと、先ほどお話しした日本郵便さんもVisaのタッチ決済が使えるようになっています。あとはすき家さん、はま寿司さんなどのゼンショーグループでも導入が始まっていますので、Visaのタッチ決済が使える場所は今かなり広がってきていますね。

加えて最近の特徴的なところとしてはいわゆる地方のスーパー、ここも実は意外にまだカードが使えないところが結構あるんです。東京でもたまにありますが、例えば大阪、あるいは兵庫、滋賀、それこそ広島とかに行くと、まだ比較的大手なのにまだカード決済が導入されていないところが結構あります。それが今キャッシュレスの流れ、あと先ほどお話しした人手不足の解消みたいなところもあると思いますが、だいぶカード決済の導入が始まってきておりまして。

その際にタッチ決済が導入されます。やはり日常使いが多いようなところは最近カードの発行数が増えてきてるところに相まって、利用率は意外に高いです。ですから基本的にはタッチ決済を導入されると、特に日常使いされるようなところに関してはお客様が利便性を感じられて、よりタッチ決済を使うようになっていくというふうに我々は見ています。

Visaのタッチ決済が使えるお店の目印はどのようなマークですか?

色々なパターンがありますが、我々が「リップルマーク」と言っているマークになります。このマークがあるお店ではタッチ決済が使えるという状況にはなっております。

タッチ決済はその人にとって一番易しくて簡単な決済

Visaのタッチ決済の特徴を教えてください。

まずひとつはスピードですね。これは実際に体験していただくとわかりますが、我々の調査では決済時間が平均約8秒ぐらいです。しかし現金の場合は平均で16秒ぐらいかかるという調査が出ています。Visaのタッチ決済と現金では8秒ぐらい差があると。この8秒って簡単にいうと大したことないですが、意外に実は結構長いですよね。実際にお店側のオペレーションも違いますし、お客さんも待っている感覚がかなり違うかと。

ですからスピードがまず一番という話と、あとは安全性ですね。これはEMVの技術を使っていますので、要は偽造が出来ない。そういった技術になっていますから、詐欺の犯罪集団が例えば偽造カードを作っても使えないところがあります。ですからセキュリティ対策が非常に万全になっているということと、あとはやはり汎用性です。ユーザー側からしてみると、日本も世界も含め、世界中の加盟店で使うことが可能です。あとお店側ですと逆にユーザーが全世界にいるということで、色々な方の受け入れが可能になります。

もう1つ、最近タッチ決済の特徴だと感じるのが利便性です。この利便性を考える時に、実は決済を使う側にも色々な方がいらっしゃる。これから多分高齢な方も増えていきますし、あとはハンディキャップのある方も利用されているわけです。利便性をお伝えするポイントとして、最近セルフレジが結構流行ってきていて。これも人手不足の一環なんですけども、支払いはお客さまに任せるやり方になってきていますよね。お客さまが自分で支払うということはその人にとって一番易しくて簡単な方法がいい。それが例えば現金であれば、お金をいれてお釣りを出すとか、あるいは例えばバーコードみたいなのを読ませるとかですね。こういった作業は比較的簡単かもしれませんが、タッチ決済はそれよりも単純にかざすだけと非常に簡単です。

ある程度の距離をとってかざしても反応してくれます。もちろんそれは規格があって、この範囲で読むという規格はありますが、かざし方もまっすぐ垂直でやらなきゃいけないとかそういう話じゃなくて、近くにかざせば反応するということで、そこは今後色々なユーザーが利用するということを考えても非常に利便性が高いですね。


かざすだけで決済ができるのは大きいですね。

大きいですね。例えば実際にスーパーに行ってもらいセルフレジをやっている姿を見ていただきたいのですが、やはりお金を出しいれするとか操作方法で結構大変そうにしてる方もいらっしゃいます。やはりカードをかざすだけだと非常に簡単で。他の決済方法に比べると。他の決済方法のきちっとした動作で支払いをしなければいけないのですが、タッチ決済に関してはある程度距離をとった動作でも決済が完了できるということで、セルフレジに向けても非常にマッチしたソリューションになっていると思っています。

海外でも同様にVisaのタッチ決済が使えるお店のマークは設置されていますか?

そうですね。海外でもリップルマークとVisaのマークは一緒にあります。実は海外のほうがさらにタッチ決済が使える条件が整っており、今はVisaの対面取引の50%以上がタッチ決済になっているので非常に多いです。例えばオーストラリアですと9割以上がこのタッチ決済の取引になっています。ですから海外に行っても使える環境です。あと例えばシンガポールの地下鉄やイギリスのロンドンの地下鉄。こういったところでもカードのタッチ決済で電車が乗れる環境になってます。今、世界的に色々なところで使えるようなインフラになっていますね。


実際のタッチ決済の様子を見せてください。

色々な端末のソリューションはあります。こちらはどちらかというと中小加盟店さん向けのソリューションになってくるんですけども、我々「mPOS(エムポス)」と呼んでおりますが、いわゆるモバイルですね。携帯、あるいはiPhone、タブレット等と接続して決済が完了するような、そういったモデルです。

アプリのポスの画面で100円という売上をあげてお会計にすると、決済端末がカードの決済が受けられるような状態に整います。端末にリップルマークがついていますが、このタッチ決済対応のカードで決済していただくと……これで決済が完了しているというような状況ですね。

平昌オリンピックで導入したグッズの特徴は?

平昌オリンピックの会場で販売されていたものなんですが、これは全部プリペイドカードですね。ステッカータイプ、ピンバッジタイプ、手袋型の各グッズにICチップが入ってます。
一番人気だったのが手袋型のものです。手袋の甲の部分に小さなポケットあり、そこにICチップが入っています。これでも実は取引ができるようなかたちになっておりまして、先ほどと同じように例えば100円でお会計をして、手袋の甲を決済端末にかざすと決済が完了します。

(※実際のタッチ決済の様子インタビュー動画にてご覧ください)

現在Visaのタッチ決済対応カードの発行枚数は?

これは2019年末時での我々の公表数字になりますが、1,900万枚。
引き続き継続的に増えている状況ですので、今後よりみなさんの手元にも届きますし、お店側でも使われる場面がどんどん増えてくるかなと思います。

Visaのタッチ決済を導入された加盟店の反響は?

やはり特にスピードの早さですね。レジの並んでる時間や長さが短縮されたことにメリットがあると聞いていますね。

ストレスなく、安全な新しいペイメント体験を

Visaのタッチ決済を使ったことのないユーザー、Visaのタッチ決済の導入を考えてる店に向けてメッセージをお願いします。

支払いというのは、基本的にどんなものを買うにしても、サービスを受けるにしても必要な行為なんですよね。ここの部分がどれだけストレスなく、安全にできるってのが非常にポイントです。あともうひとつ、誰でも使えるというような状況。安全、利便性、スピード、こういったのを突き詰めていった時に、我々は今のタッチ決済というところにいきついています。ですから、お店側にとってもユーザーにとっても生産性の向上、利便性、顧客体験の良さ、こういったものを提供できると思っています。まずはぜひカード決済を検討しているお店は、Visaのタッチ決済を導入していただきたいです。

あとカードに関してもこれからどんどんタッチ決済対応カードの発行が増えていきます。新しくカードを作ったり、更新された時に実はそのカードがタッチ決済対応になるので、まずは1回タッチ決済を試してほしいと思います。そうすればタッチ決済の良さを実感できますので、我々としてはまずは持っていただいて、あと導入もしていただいて、最後は体験していただくと新しいペイメント体験の素晴らしさが実感いただけるんじゃないかなと思っております。

今回のインタビュー動画はこちらから

山田 昌之(やまだ まさゆき)
ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社 マーチャント・セールス&アクワイアリング



国内大手カード会社にて、日本、米国、イタリアの各国における、カード発行、加盟店展開、ブランド業務を推進。
その後、外資系カード会社にて、カードビジネスのマーケティング部門責任者として新ブランドやポイントプログラム立ち上げをリード。
2010年にVisaに入社以降、現部門にて、新規加盟店拡大や「Visaのタッチ決済」対応加盟店拡大を推進。

素材提供:ビザ・ワールドワイド

インタビュー:NANASE / 撮影:堅田ひとみ

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