日本のeスポーツを支える組織はいくつかあり、プロ選手の認定や大会の開催などを行っています。
この記事では、特に国内で主要な立場となっているeスポーツ協会とeスポーツ連合の関係性をチェックし、プロライセンスの発行などのメリットに迫ります。
eスポーツ協会とeスポーツ連合の関係性は?
日本eスポーツ連合は、次の3団体が合併して誕生した組織です。
これまで別々の組織だったものが、1つにまとまった形になっています。
合流する前にも日本eスポーツ協会が「第1回 日本eスポーツ選手権大会」を開催するなど精力的な活動を続けていましたが、関連団体が乱立が1つの課題となっていました。
そのため影響力のある3つの団体が日本eスポーツ連合に統合されたことは、eスポーツ業界の大きなニュースとなりました。
英語名で「Japan esports Union(JeSU)」となる日本eスポーツ連合は、日本国内におけるeスポーツの振興を役割として定義し、さまざまな活動を行っています。
具体的には、以下のような活動内容を予定・取り組んでいます。
2018年2月1日から始まった活動は今も続いていて、上記のような形でeスポーツの普及に携わっています。
多くの大会を開いた実績もあり、例えば「パズドラ」「ストリートファイター」「ぷよぷよ」などといったゲームで公認大会を主催しています。
国内のイベントを盛り上げる役割として、日本eスポーツ連合は大きな存在感を示していると言えるでしょう。
今後はオリンピック競技への参入や、eスポーツカフェなどの普及によるeスポーツの一般化に期待がされます。
日本eスポーツ連合はそういった一般層への普及を促すためにも、重要な役割を担うことになるでしょう。
eスポーツ連合(JeSU)以外のeスポーツに関連する組織は?
国内では日本eスポーツ連合(JeSU)が最も有名な組織ですが、それ以外にもeスポーツに関わる組織はいくつかあります。
以下からその関連組織を紹介するので、どのような組織がeスポーツと関わっているのかをチェックしてみましょう。
日本eスポーツリーグ協会
日本eスポーツリーグ協会(JeSA)は、2018年に発足したeスポーツ競技の運営団体です。
コンセプトに「ユーザーフレンドリーシップを重視し誰もが楽しめる」という言葉を挙げていることから、プレイヤーを意識した運営・展開を目指していることが伺えます。
日本eスポーツリーグ協会の活動で特に注目されているのが「ZLEAGUE」の運営です。
Z LEAGUEとはeスポーツリーグ協会が公式で行うリーグ大会のことで、クラブチーム同士が各eスポーツ種目で戦い、1年間をかけて優勝を目指すことが予定されています。
プロ野球のシーズンのような位置づけとなることが予想されるので、年間を通してeスポーツを楽しめるようになるかもしれません。
Z LEAGUEで取り扱われるゲームタイトルは、複数採用されることになっているのが特徴です。
例えば、1回戦で格闘ゲームを競い合ったあとに、2回戦でMOBAで勝負をするといったことがあります。
多くのeスポーツ大会が1つのゲームタイトルを採用しているため、このZ LEAGUEのシステムは画期的だと言えるでしょう。eスポーツのトライアスロンと評されるZ LEAGUEのアイデアは、今後日本のeスポーツ大会に影響を与えるかもしれません。
日本eスポーツリーグ協会もまた、日本eスポーツ連合と同じようにプロライセンスの発行をしています。提示されたのは「シューティング」「格闘」「MOBA/RTS」「レーシング」の4種類で、プロライセンス獲得戦などを参考にしてJeSAのプロ選手を認定するようです。
日本esports促進協会
日本esports促進協会(JEF)とは、eスポーツ産業の発展を目指すeスポーツ関連団体の1つです。
2019年4月に設立され、国内のeスポーツの普及と促進を目指すと同時に、海外で活躍できる選手や指導者の育成にも力を入れています。国際的なノウハウを使用して、eスポーツにおける国際社会に適用する選手の支援と情報インフラの提供を行うとしているのが特徴になっています。
世界各国のeスポーツ協会と連携協定を結んでいるため、今後は海外展開を視野に入れた活動に注目が集まります。
日本のeスポーツ文化は海外と比較して遅れているとされるため、日本esports促進協会のような国際情勢を意識した団体の価値は大きくなるでしょう。
日本eスポーツ連盟(JeSF)
日本eスポーツ連盟(JeSF)とは、国際eスポーツ連盟(IeSF)に所属していたeスポーツ団体です。今は日本eスポーツ連合に入り、国内のeスポーツ文化の発展に貢献しています。
eスポーツのプロライセンス発行を最大の目標として掲げ、ゲームプレイヤーの育成とサポートを行っていました。
その他チームオーナーの育成、支援企業や教育機関との連携、公式のeスポーツ大会の普及などを活動内容としています。
日本のプロゲーミングチーム「SCARZ」の加入などでも話題となり、現在の日本のeスポーツ文化の発展に貢献しました。
e-sports促進機構
e-sports促進機構も、現在は日本eスポーツ連合として活動している団体の1つです。
ゲーム文化の振興や大会支援、市場リサーチや白書などの出版物の発行などを目的としていました。
ゲーム業界の有名人である高橋名人が、代表理事をしていたことでも話題となりました。
各都道府県にあるeスポーツ協会とは?
eスポーツ協会・連合といった関連団体は、各都道府県にも設置されています。
日本eスポーツ連合が認定している地方支部だけでも全国に25ヵ所あり(2020年11月現在)、それぞれの地域におけるeスポーツの発展に貢献しています。
現在eスポーツは主要都市だけでなく、地方の活性化を促すイベントとしても採用されています。そういったイベントの主催や運営を行うのが、各都道府県にあるeスポーツ協会の役割です。
地方にeスポーツ文化を根付かせるためには、各都道府県のeスポーツ協会との連携が重要視されるでしょう。
eスポーツ連合(JeSU)でライセンスを取得するには?
日本eスポーツ連合は、JeSU 公認プロライセンスの発行を行っています。
JeSU 公認プロライセンスとは、eスポーツ選手の育成や地位向上を目指して作成された制度です。2020年11月現在プロライセンスの所有者が217人、ジュニアライセンスが1人、チームライセンスが10チーム分発行されています。
発行方法はJeSUが認定する公式の大会結果を参考にしたり、プロとしてふさわしいとされるプレイヤーをスカウトしたりといった形で認定・発行されます。
そのためプロライセンスの取得を目指すのなら、JeSUが認定する大会などで賞金を獲得して、結果を出すことがポイントになるでしょう。
現在JeSUは、以下の14タイトルに対してライセンスの発行を行っています。
今後対象となるゲームタイトルが増えれば、プロライセンス制度はさらに普及していくかもしれません。
eスポーツ連合(JeSU)のプロライセンスを目指そう!
eスポーツ連合や各団体の活躍は、日本のeスポーツ文化の発展を左右することになるかもしれません。
特にプロライセンス制度は大きな期待ができるものになるので、この機会に獲得を目指してみてはいかがでしょうか。