確定申告のe-taxを利用したやり方は?メリットや必要書類を紹介

確定申告を行う場合、必要書類をまとめて確定申告書類を作成し、所轄税務署に持参もしくは郵送で提出しなければなりません。そんな手間をなくしてくれるのがe-taxを利用した電子申告です。

この記事では、確定申告をe-taxで行うメリットや実際にe-taxを使って確定申告する方法までを紹介・解説していきます。

確定申告をe-taxで行うメリットは?

e-taxとは、確定申告など国税にかかる申請・納税に使用するオンラインサービスです。e-taxならではのメリットが多数あるので紹介します。

自宅で確定申告できる

e-taxの最大のメリットです。確定申告は書類を作成して税務署に持参して提出、もしくは申告期限までに郵送で提出する必要がありますが、e-taxの場合は自宅にいながら確定申告書類を提出することができます。

自宅から行えるため税務署に行く必要はなく、いつまでも確定申告を先延ばしにして期限直前提出することもなくなるでしょう。コロナ禍で外出を避けたい昨今だと感染リスクを下げる役割も果たせます。

時間帯を選ばない

税務署に確定申告書類を持参して提出する場合、税務署が空いている営業時間内に行かなければなりません。
また、市役所などと同じような行政機関であるため週末・祝日は空いておらず、平日の17時までしか空いていないことがほとんどです。

ですがe-taxであれば関係ありません。申告期間内なら24時間いつでも確定申告書類を作成・提出することができます。
確定申告期間外では月曜日~金曜日の8時30分から24時までの制限がありますが、確定申告期間中は利用可能時間の制限が撤廃されて24時間いつでも使えるようになります(メンテナンス中は除く)。

そのため確定申告書類を作成する時間が休日しかない・夜間しかないという方でも安心して確定申告を行うことができます。

還付申告から還付金入金まで早い

源泉徴収などですでに本来納める税金よりも払いすぎている場合は還付申告を行うことになりますが、e-taxを使った電子申告をすることで還付金入金までの期間が短くなります。

通常は還付申告から還付金の入金まで不備がなかった場合でも1ヵ月から1ヶ月半ほどかかりますが、e-taxを使った電子申告の場合は最短で2~3週間で還付金が入金されます。
書類に不備があって再提出を求められた場合でも、再提出を求められるまでの期間も短くなるので、結果的に還付金の入金が早くなります。
少しでも早く還付金が欲しいという場合はe-taxを使って確定申告をすると良いでしょう。

計算ミス・入力漏れが起きにくい

e-taxを使って確定申告を行う場合、計算ミスや入力ミスがほとんど起こりません。所得の合計金額など計算が必要な箇所はすべて自動計算されるため、金額間違いによる過少申告が起きづらくなっています。

計算ミスが起きるのは入力ミスか申告対象の取引の登録を忘れてしまうことくらいであるため、そういったミスでもない限り確定申告書類に記述する金額の入力ミスも発生しません。

e-taxは1つでも必須項目の入力漏れがあるとエラーが発生して確定申告できない仕様になっているため、医療費控除などの控除証明書といった書類の不備・入力漏れが起きることはまずありません。
確定申告を何度もやり直すことがなくなるメリットもe-taxならではの特徴でしょう。

確定申告のe-taxを利用したやり方

確定申告のe-taxを利用したやり方を紹介します。

  1. e-tax公式サイトの国税電子申告・納税システムにアクセス
  2. 「利用者別に探す」から当てはまる項目を選択
  3. [確定申告書等の作成はこちら]を選択
  4. [作成開始]を選択
  5. 税務署への提出方法から[e-Taxで提出]を選択
  6. マイナンバーカード方式、ID・パスワード方式どちらかを選択してログイン
  7. 作成する書類などを選択(通常の確定申告の場合は所得税を選択)
  8. 支出・収入などを案内に従って入力
  9. e-Taxを使って送信

これらの手順のみで確定申告の手続きが完了します。
わざわざ税務署に出向いて、さらに書類の不備や計算ミスなどのリスクを考えると圧倒的にに効率の良い手続き方法でしょう。

確定申告をe-taxでする場合の必要書類

確定申告をe-taxでする場合、下記の書類が必要です。

  • マイナンバーカード(マイナンバーカード方式でe-taxにアクセスする場合のみ
  • 確定申告書
  • 収支内訳書(白色申告者の場合のみ)
  • 青色申告決算書(青色申告者の場合のみ)
  • 医療費控除明細などの各種控除証明書
  • この中のうち白色申告者用の収支内訳書と青色申告者用の青色申告決算書および確定申告書はe-taxで作成できます。事前に用意する必要はありません。

    控除証明書はe-taxで送付することはありませんが、確定申告書を作成する際に必要になります(控除金額などを確認する必要があるため)。
    確定申告時に使用した控除証明書は5年間の保存が義務付けられていますので、必ず保管しておくようにしてください。

    確定申告でe-taxを利用する場合の注意点

    e-taxは自宅にいながら確定申告できるとても便利なサービスですが、いくつか注意すべきポイントがあります。続いてはe-taxを使う上で抑えておくべきポイントを紹介します。

    事前準備が必要

    e-taxを利用する前にいくつか準備をしなければなりません。特に準備が必要なのばマイナンバーカードを持っていない方です。
    マイナンバーカードを使わない場合は、マイナンバーカードの代わりになる利用者識別番号(ID)と暗証番号(パスワード)を受け取るために開始届を提出する必要があります。

    2018年まではe-taxを利用するためにマイナンバーカードの取得が必須でしたが、2019年以降はマイナンバーカードがなくてもe-taxで電子申告できるようになりました。その代わりに専用のID・パスワードが必要なので覚えておきましょう。
    1度取得したら来年以降も同じID・パスワードを使用できます。

    マイナンバーカード使う場合はカードリーダーが必要

    2019年以降、e-taxで電子申告においてマイナンバーカードを使う場合は利用者識別番号(ID)・暗証番号(パスワード)が不要になったため手間は少なくなりました。
    ですが、マイナンバーカードを使用する場合はパソコンにマイナンバーカードを認識させるためのICカードリーダーが必要です。

    ICカードリーダーは支給されず有料のものを自前で用意しなければなりません。
    ただし、ICカードリーダー機能が搭載されているAndroid端末があれば、そのAndroidをマイナンバーカードを読み取るICカードリーダー代わりに使用できます。

    iPhoneではマイナンバーカードを読み取ることができませんがAndroidであれば読み取れる可能性があるので、ICカードリーダーを購入する前に機種の仕様を確認すると良いでしょう。

    すぐにマイナンバーカードを取得できない

    今後もe-taxを使って確定申告することを考慮してマイナンバーカード取得することを考えた方が良いかもしれません。その場合はできる限り早くマイナンバーカードを申請するようにしてください。

    マイナンバーカードは申請から発行・受取まで1ヶ月以上かかるため、確定申告の申告期間に入ってからマイナンバーカードを申請すると確定申告の期限までに間に合わない可能性があります。
    2020年度分の確定申告はコロナ禍の影響で期限が延長される可能性がありますが、e-taxでの使用目的でマイナンバーカード取得する方はできるだけ早く取得することをおすすめします。

    確定申告のe-taxの書類作成におすすめのサービス

    e-tax公式サイトから電子申告を行う方法もありますが、e-taxに対応したクラウド会計サービスを利用する方法もあります。
    クラウド会計サービスの中でも特に有名で評判が良い2つのクラウド会計サービスについて紹介していきます。

    マネーフォワード クラウド確定申告

    マネーフォワード クラウド確定申告はe-taxを使った電子申告に対応しています。PDFを作成して印刷してそのまま税務署に持参することもできますが、マネーフォワードであれば24時間いつでもどこでも電子申告することができます。

    毎月支払う固定費などの仕分けを自動化する機能が用意されているため、非常に効率良く確定申告書類を作成することができます。
    仕分けも取引内容に応じて自動的に選択されるので支出と収入を間違えて記録してしまう心配もありません。確定申告に使えるのはもちろんのこと日々の会計管理にも役立つため確定申告の時期に限らず1年中役に立つことになるでしょう。

    freee(フリー)

    freeeは個人事業主・中小企業向けのクラウド会計サービスです。22万以上もの事業者が利用しており、あらゆる経理・会計を効率化できます。

    freeeの最大の特徴として、電子申告をfreeeから行えるということです。先ほど紹介したマネーフォワード クラウド確定申告でも電子申告をすることができますが、e-tax用の書類をファイルとして出力し、そのe-tax用の書類をe-tax公式サイトにアプロードして申告する必要があります。

    freeeは電子申告用の仕組みが整えられており、事前準備さえ済ませればfreeeだけで電子申告可能です。初回のみ電子証明書や利用者識別番号の取得などの事前準備が大変ですが、2年目以降は電子申告周りの事前準備が不要であるため確定申告書類の作成が完了次第すぐに電子申告することができます。

    確定申告のe-taxのやり方をマスターしよう

    e-taxを使った電子申告で1番大変なのは事前準備です。初めてe-taxを利用する場合は確定申告以外にやらないといけないことが多いため大変です。

    2年目以降は確定申告がかなり楽になるので、これからの確定申告を毎年e-taxを使って行っていく事を考えている方はe-taxのやり方をマスターすると良いでしょう。

    確定申告について詳しくはこちら

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