
仮想通貨調査企業Diar社は、取引所の仮想通貨取引高が2017年以降最低記録を更新したと発表した。
取引高の低下は仮想通貨価格の急激な乱高下を呼び起こす可能性があり、今後の市場における不安材料になりかねない。
仮想通貨取引高は過去2年で最低の水準に
仮想通貨関連調査企業Diar社は現地時間4日、仮想通貨取引高に関する報告書を発表した。
Diar社によると、2019年に入ってから、取引所における仮想通貨取引高は過去2年間での最低記録を更新しているようだ。
Diar社は新年に入っての取引高不調の原因として「ボラティリティーに欠けている」ことを列挙。
価格の変動幅が少なくなったことにより、仮想通貨取引の特性が一つ減ってしまったと考えているユーザーが多く存在している可能性が示唆される。

取引高世界一位の仮想通貨取引所Binanceでは2019年1月の取引高は前月比-40%減少。
さらに、米取引所CoinBaseは2017年5月以降で最低値を記録しており、ピーク時よりも10億ドル以上取引高が減少している。


(出典 CoinAPI)
さらに、香港を拠点とする取引所OKExは取引高における三ヶ月成長トレンドを失い、最高で55億ドルあった取引高も今では40億ドルを下回っている。
仮想通貨取引高減少による懸念
仮想通貨取引高が少ないことは、市場に価格の急激な乱高下を引き起こす一因となる可能性がある。
取引高の低下、即ち市場での取引量が少ないと、売買における適正価格が定まりにくくなる。
その結果、適切な市場価格からずれた取引が多くなり、より上下の動きが激しくなってしまう。
ロスカットやストップ注文が発生しやすくなり、大幅な価格変動を起こしやすくなるのだ。
それゆえに、このまま取引高の低迷が続くことによって、仮想通貨市場がより一層不安定になることが懸念される。