仮想通貨へ投資した約2億円の返還求め訴訟、未登録のトークンめぐり

中国籍のカリフォルニア州在住の男性が、自身が行った仮想通貨への投資が騙されたものだったとして、ニューヨークの投資会社ブルー・オーシャン・キャピタル・グループ(Blue Ocean Capital Group)を相手取り訴訟を提起していたことが分かった。

投資した約2億円の返還求める

2月1日にニューヨーク州南部連邦地方裁判所に提出された訴状によると、原告のリージュン・サン(Lijun Sun)氏は、200万ドル(約2億2,000円)をMCashトークンを購入するためブルー・オーシャン・キャピタル・グループに送金していた。また、MCashは米証券取引委員会(SEC)に登録されておらず、同社は販売に関して虚偽の記載と作為的に投資を誘導したとされている。

サン氏は、MCashトークンへの投資を決めた際に、同社によって提供されたMCashトークンの投資機会に関する情報が不正確なものだっと主張。同社への送金を終えた後になり、トークンの購入契約をブルー・オーシャン・キャピタル・グループではなく別の会社と結ばなければならないこと知ったという。

その他にも、MCashトークンは未登録の有価証券でアメリカに合法な市場がないこと、投資が1年間ロックアップされることなどについても、事前に説明されていなかったと主張。サン氏はこれら事実を事前に知っていれば、MCashトークンに投資していなかったとして、ブルー・オーシャン・キャピタル・グループに200万ドルの返還を求めている。

トークンの価格はゼロ

MCashはイーサリアム(Ethereum)ベースのトークンで、現在は開発も行われておらずEtherscanの情報によると、その価格は0となっている。また同社のウェブサイトは閲覧できない状況となっているが、YouTubeにはニューヨーク市のハーバードクラブで行われた同社のグランド・オープニング・セレモニーの様子を撮影したビデオが投稿されている。

同ビデオには、通常ホスピタリティーが評価されたホテルやレストランなどに贈られる「Six-Star Diamond Award」が同社に贈られる様子が記録されていた。

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参考
UNITED STATES DISTRICT COURT SOUTHERN DISTRICT OF NEW YORK

文:Akihiko Hirata(@akkyhira

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