近年、新しい運用投資サービスとして注目を浴びているロボアドバイザー。
投資初心者でも簡単に投資を始められるサービスとして20〜30代の若い世代から人気を集めています。
数ある会社が多様なサービスを出していることで、会社間で何が違うのかを知りたい人も多いはず。
今回の記事では、ロボアドバイザーサービスである「ウェルスナビ」「THEO」「楽ラップ」を比較して、それぞれの特徴を掴んでいきます。
ロボアドバイザーを利用した投資を考えているけど、どのサービスを使えば良いか分からない方は必見です。
ロボアドバイザーの特徴は?
ロボアドバイザー(通称ロボアド)とは、人工知能(AI)を利用したインターネット上の資産運用サポートや資産運用の一任システムのことです。
利用者が提示された質問に回答することによって、その利用者の資産運用の目的やリスク許容度を考慮した合理的な投資の配分を提案してくれます。
このようなサービスが普及した背景には、日本でもネット証券が一般的になったこと。
そして金融とITを融合した技術革新である「フィンテック」という考え方が浸透してきたこともポイントとしてあげられます。
元々はアメリカ発祥のサービスでしたが、日本でも2016年頃から認知が進み、大きな盛り上がりを見せています。
投資の知識がなくても始められたり、少額から始められたりと若い世代も始めやすいメリットなどがありますが、投資であるために「元本割れ」をしてしまうデメリットもあります。
アドバイス型と投資一任型がある
ロボアドバイザーには2種類があり、「アドバイス型」と「投資一任型」に分かれます。
アドバイス型
ユーザーのリスク許容度を診断し、資産運用の最適な配分のアドバイスをしてくれます。
実際のアドバイスに基づいて自分で投資の発注や運用を行うのですが、運用途中で資産配分を変更する必要が生じた場合は再配分を行います。
アドバイス型は無料で利用できるため、気軽に資産運用を始めたい投資初心者に向いています。
投資一任型
アドバイス型の内容に加えて、投資を行う際の発注・運用、また、運用中の資産配分を最適な状態に維持するための調整(=リバランス)などを行います。
ユーザーは投資の発注や運用、また、運用途中における資産配分などについて、自分で行う必要がなく、全てをロボアドバイザーに任せることができるのが特徴です。
手数料は発生しますが、投資信託と比べてもコストを抑えて運用を行えます。
ロボアドバイザーの運用コスト
ロボアドバイザーのサービスを利用する場合は一定の費用がかかりますが、「アドバイス型」サービスはほとんどが無料で使えます。
一方で「投資一任型」を利用する場合は、「サービス利用手数料」と「投資信託手数料」(投資信託を運営している会社に支払う信託報酬など)がかかります。
手数料の相場としてはサービス利用手数料と投資信託手数料の合算で、預け入れ資産の「1%」前後であることが多いです。
ロボアドバイザーの利回りを比較しよう
この項目では有名ロボアドバイザーサービスであるWealthNavi、THEO、楽ラップを様々な項目で比較していきます。
利回り(年率) | 最低投資額 | 運用手数料 | 投資対象 | 投資一任 or アドバイザー | |
WealthNavi | 4.5〜16.2% | 10万円 | 3000万円まで1% 3000万円を超える部分0.5%(税抜) |
ETF | 投資一任型 |
THEO | 1.9〜12.9% | 1万円 | 3000万円まで1% 3000万円を超える部分0.5%(税抜) |
ETF | 投資一任型 |
楽ラップ | 4.1〜15.6% | 10万円 | 0.702%(税抜) | 投資信託 | 投資一任型 |
利回りを見るとWealthNaviがTHEO・楽ラップと比較しても高い年率であることが見て取れます。
しかし、最低投資額がWealthNavi・楽ラップが10万円からと高め。
THEOであれば1万円からロボアドバイザー投資ができるのもメリットと言えるでしょう。
実際の機能面などを見ながら、自身にあったサービスを選ぶことが大切です。
リスク許容度が大きいと利回りも高くなる
3社ともに利回り数値には幅がありますが、リスク許容度の違いが主に影響していると考えられます。
昨年以降のデータを見ると、リスク許容度の小さい場合(ローリスク・ローリターン)に比べて、リスク許容度の大きい場合(ハイリスク・ハイリターン)の方が、運用実績で良い結果が出ているのです。
リスクは増えますが、それだけ大きなリターンを見込むことができます。
ここ最近は景気が比較的順調に推移し、リスク許容度の大きい場合で運用した方が結果的に有利になったと見られます。
THEOの特徴・メリット
「テオ」は世界86の国・地域、1万1000以上の豊富な銘柄の中から、国際分散投資で長期資産の運用を行うロボアドバイザーです。
「値上がり重視」「配当利益重視」「インフレ対策重視」の3つの投資方針からユーザーが操作できることから、ユーザーの意思を的確に反映したポートフォリオを組むことが可能になります。
診断結果に合わせた最適化パターンは200種類以上ときめ細かく、豊富な投資形態があるのも特徴。
さらに、運営主が独立系の企業であることから、証券会社の医師に影響されないなどの中立性が保たれているのもポイントですね。
WealthNaviの特徴・メリット
「ウェルスナビ」は申込件数18万口座以上、預かり資産1300億円を達成している国内トップクラスの規模・実績を持つロボアドバイザー。
海外ETFを組み合わせた8コースの中から、最適なポートフォリオを提案してくれます。
海外ETFは投資信託より信託報酬が低いために、費用を抑えることができるのです。
また、手数料を最大0.90%(年率)まで割引してくれる「長期割」サービスや、収益にかかる税を少なくするための「自動税金最適化機能」などを持っているのも特徴と言えます。
楽ラップの特徴・メリット
「楽ラップ」は楽天証券が提供するサービスであり、年率のトータル費用は固定報酬型で預け資産の0.702%(税込)と、低コストで運用できるのが特徴。
主な投資対象は国内の投資信託であり、為替変動リスクを負わないという利点もあります。
株式市場の相場変動リスクが高くなった場合には、株式の投資割合を少なくする「下落ショック軽減機能」を持っています。
最適化されたポートフォリオ、および「下落ショック軽減機能」の適用の有無を選択して運用を一任することができるのです。
ロボアドバイザーを検討しているならよく比較しよう
今回はロボアドバイザーの概要と、各種サービスの比較などを行ってきました。
今回取り上げたWealthNavi、THEO、楽ラップ共に独自の機能が搭載されており、利用者によって好みは分かれます。
どのサービスも素晴らしいメリットと独自の機能を兼ね備えているので、実際に使って見て合ったサービスを選ぶのが良いでしょう。
今回のロボアドバイザーサービスの比較記事をきっかけに、是非ロボアドバイザー投資を始めて見てはいかがでしょうか?