イーサリアムエコシステムを支援するスタートアップ企業であるコンセンシス(ConsenSys)が、従業員の13%を解雇することを発表した。その理由と今後の予想とは?
ConsenSys(コンセンシス)が従業員の解雇に至った理由とは?
コンセンシスは、イーサリアム創始者の一人であるジョセフ・ルービン氏(Joseph Lubin)が2014に設立した企業である。コンセンシスは、新規ビジネスの立ち上げや企業向けソリューションの提供、コンサルティングなど、多岐にわたる活動を続けてきた。しかし今回「ConsenSys 2.0」と呼ばれる新しい事業戦略を進めるにあたり、社員のうち13%を解雇する決断を行った。
コンセンシスが、従業員の解雇に至った理由としてもっとも大きいのは、イーサリアム価格の下落である。これにより、コンセンシスや支援先のスタートアップの資産状況が悪化した結果、コストを削減せざるを得なくなり、従業員の解雇に踏み切ったようだ。
ちなみに、先月27日にはソーシャルメディアプラットフォームの「スチームイット(Steemit)」も仮想通貨価格の下落とオペレーションコストの増大を理由に、その70%の社員を解雇すると発表している。
仮想通貨ビジネス企業には厳しい試練が続くだろう
コンセンシスによる従業員の13%もの解雇は、マーケットの状況を考えると致し方ないのかもしれない。仮想通貨やブロックチェーンという言葉を掲げるだけで、資金が豊富に集まるシチュエーションは、終わりを告げようとしている。スチームイットも、日本で知名度が高いプロジェクトであるにもかかわらず大量の解雇を余儀なくされた。おそらく、今後もこのような例は多く見られるのではないだろうか。
ただ、マーケットが不況の中でもエンジニアが不足しているという声はよく聞く。そのため、エンジニアの採用を積極的に進める企業は多い。そのような意味では、スキルがある人材であれば、まだまだブロックチェーンの世界でできることは多いだろう。ただ、特にスキルがなく好景気の波に乗って採用された人材は、危機感を覚えるべきかもしれない。
(文・師田賢人)
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参考:ETHNews.com
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