ワーケーションって実際どうなの?旅先で仕事がはかどるのか検証してみた

旅先でリゾートを楽しみながら仕事をする「ワーケーション」。パソコンとネット環境さえあれば実現できる新しい仕事のスタイルが話題になっています。

ワーケーションについては、「せっかく旅行をしているのに仕事をしたくない」「旅先で仕事が進むとは思えない」などの声がある一方で「プチ移住体験ができる」「いつもと違う環境でリフレッシュできそう」といったポジティブな意見も多く見られます。

ワーケーションって、実際のところ仕事がはかどるのか?

それを確かめるべく、旅と酒をこよなく愛するライターがパソコンとカメラをも持って体験してきました。

ワーケーションとは

ワーケーションはワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語で、観光地・リゾート地でテレワーク(リモートワーク)をしながら、同時に休暇も取る過ごし方です。

働き方改革と新型コロナウイルス感染症の流行に伴う「新しい日常」の奨励の一環として政府が推奨しています。

温泉!自然!グルメ!関東から近くて人気の観光地・熱海へ

今回のワーケーションの拠点に選んだのは、温泉と海が魅力の熱海。
かつては新婚旅行や社員旅行の行き先として人気を集め、その名残が今なお街のあちこちに残っています。
まるで昭和にタイムスリップしたかのようなレトロな街の雰囲気も一つの魅力。

また、縁結びのパワースポット・来宮神社、行列の絶えない熱海プリンなど若者に人気の新スポットも続々と登場しています。

熱海は関東からアクセスしやすいこともあり、老若男女が訪れる活気あふれる温泉の街です。

熱海駅に到着!駅周辺はショッピング・グルメが充実

到着したのがちょうどお昼どきだったため、チェックインまでは少し時間があります。
まずは駅前の商店街をぶらぶらすることにしました。

食べ歩きグルメや熱海名物・土産が集結する熱海商店街

駅前の商店街は仲見世商店街と平和通りの2本に分かれていて、それぞれにお土産やグルメ、名産品、雑貨などのお店がずらりと軒を連ねています。

熱海の玄関口として賑わっており、テレビロケのスポットしても有名です。

散策開始直後に発見したひもの屋さんのイートインスペースでお昼ごはんを食べます(飲みます)。焼きたてのアジのひもの、マグロのほほ肉、たこわさ、静岡麦酒と、いきなり熱海のグルメを堪能できました。

本日2杯目のビール(1杯目は新幹線)、いただきます!

アジの大きさがわかるでしょうか。身はふわふわでとてもジューシーでした。

仕事は、宿に到着後に開始します。それまでは「バケーション」の時間。

さらに商店街の立ち飲み屋では、アジのひものがプレスされたせんべいとハイボールを。
昼から観光地ではしご酒するのも旅の醍醐味でしょう。

ワーケーションの拠点、ロマンス座カドにチェックイン

今回宿泊するのは、ゲストハウス「ロマンス座カド」。
かつて多くの人の心をときめかせ、惜しまれながら廃館となった熱海最後の映画館「ロマンス座」の横にひっそりと位置しています。

部屋の家具はベッド、机、冷蔵庫とシンプルですが、マットレスはシモンズのセミダブルサイズ。夜はゆったりと眠れそうです。

アンティークなカップに珈琲を淹れ酔いを覚まし、やっと「ワーク」を始めます。

日当たりが良く、日の陰りで時間の流れを感じられます。
一人だけの静かな空間で、夜までしっかりと集中して仕事ができました!

夜は熱海の市街地を散策&夜景スポットへ

夜は熱海銀座や海沿いを散策します。
かつては熱海の中心地として飲食店やスナックが集まり、歓楽街として栄えていた熱海銀座。

昔ながらの古風な建物や新しいオシャレな店が混在し、歩くだけでも楽しめます。

そして、繁華街を少し外れたところにひっそりとある、猫に会えるかもしれないバー「Muddy Cat(マディキャット)」へ。

SNSでバズり、一躍有名となったかわいらしい猫のいるバーです。気まぐれに店内に入ってくる猫とふれあったり、地元の人や観光客と雑談をしたり、にぎやかな時間を過ごしました。

ちゅ〜るに猫まっしぐら。とてもかわいらしいです。

帰り道には海岸沿いを歩き、夜景を満喫。

波の音を聴きながら、水面に反射する夜景をぼーっと眺めます。
いつもだったら家でだらけてしまう時間を有意義に活用できるのがワーケーションの魅力です。

翌日は仕事を頑張る日

前日は午後の数時間を仕事に充てましたが、今日は作業が少し多いため観光よりも仕事重視の一日にします。
朝ごはんを食べ、さっそく仕事開始。

少し疲れたら、屋上のテラスでストレッチ。
外の空気を吸って体を動かすと、頭もスッキリします。

ビルの向こうには海も見えます。

リフレッシュしたところで部屋に戻り、また黙々と作業を続けます。

しかし、一日中宿で缶詰めになるのも疲れてしまうため、気が向いたときにふらっと海へ足を運んでみました。宿からサンビーチまでは歩いて5〜10分ほどと散歩にもちょうど良い距離です。

いい天気で真っ青な海が気持ち良い。

昨夜見ていた景色も、昼と夜では表情が全然違います。

サンビーチから南に続く親水公園は、地中海北部のリゾート地をイメージして整備されています。熱海市と北イタリアのサンレモ市が姉妹都市であること、地形と街並みが似ていることなどがその理由だとか。

海風を浴びながら熱海の街を眺めます。

宿の近くにみかんの自動販売機を見つけたので、おやつとビタミン補給を兼ねて購入。1袋6個以上入って200円は格安!

30分〜1時間も歩けば海もしっかり満喫でき、とても良い休憩になりました。

最後は仕事をせずにしっかり遊ぶ日

一日仕事を頑張った翌日は、観光重視の日に決定。
熱海には来宮神社や熱海城、MOA美術館、起雲閣などさまざまなジャンルの観光スポットがあります。

そして、熱海の代名詞でもある温泉も外せません。
日帰り入浴できるホテルや旅館は街中にたくさんありますが、地元の人に開かれた昔ながらの共同浴場もいくつか残っています。

熱海駅から徒歩1,2分の位置にある「熱海駅前温泉浴場」もそのうちの一つ。
源泉かけ流しの温泉に500円で入れて、脱衣所から浴場、洗い場まですべてが昭和で時が止まっているような感覚に包まれます。

そして、こちらも駅から徒歩圏内。地下から噴き出る温泉の蒸気で茹で卵が作れる「小沢の湯」もおすすめです。卵と塩は目の前の酒屋さんで購入できます。

いろいろなイラストが描かれた卵があり、アマビエを選びました。

ザルに入れて蓋をし、茹で時間は大体8〜10分ほど。黄身の固さの好みで時間を調整します。茹でたての卵はほくほくしっとりで最高でした。

青空の下で飲むビールもおいしさ倍増!

熱海駅の目の前には誰もが無料で利用できる足湯「家康の湯」があり、熱くもぬるくもなくちょうど良いお湯加減。
帰りの電車まで時間が余ってしまったときに、足湯で少しのんびりするのもおすすめです。

さらに熱海には、春は桜や「熱海をどり」、夏は海水浴に花火大会、秋はもみじ、冬は梅と、四季によって異なる魅力やイベントももりだくさん。

一度では楽しみ尽くせないため、何度でも訪れたくなる地域です。

ワーケーションしてみて感じたこと

休暇と仕事の境目がないように思えるワーケーションですが、仕事をする時間帯を調整できたり自分の好きなタイミングで気分転換ができるため、自由度が高く快適です。
メリハリを付けることでより仕事に集中できますし、自由時間も仕事を気にせず思いっきり楽しめます。

そして、仕事以外の時間はすべて観光に費やせるため、食事や入浴時間など日課の一つひとつがアクティビティにもなります。

ワーケーションは長期滞在が前提とされており、観光と仕事を程よく両立させるには最低でも3日は必要だと感じました。

ワーケーションは、本来企業に所属している方が、休暇の取得を兼ねた仕事のスタイルとして行うことが想定されています。
フリーランスの私がワーケーションをすると、もはやノマドワーカー(自由な場所・時間で働く人たち)ですが、旅先での過ごし方の参考になればと思います。

テレワーク(リモートワーク)はまだしばらく続きそうです。家での仕事が続き、息が詰まりそうになったらワーケーションに挑戦してみるのも良いかもしれません。

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