かつて日本では経済成長が続き定期預金だけで金利が10%と、貯金で資産が増える時代がありました。
金利の高い時代が続いたせいか、日本では資産を貯金しておくのが当たり前という考えが続き、投資を行なう人が少ない状況にあります。
ただ現在では副業などの働き方改革や老後の年金問題から、自分の資産は自分でなんとかしようと考える人が増え、少しずつですが投資を始める人が増え始めています。
最近では、普段仕事で忙しく投資をしている時間が取れない人でも、AIに資産運用を任せるロボアドバイザーを利用する方もいます。
もちろん投資となるので損失が発生してしまうことは当然のこと。
そこで今回は、これからロボアドバイザーで投資を始めようと考える方のために、損失対策や元本割れのリスク回避方法について解説します。
ロボアドバイザーとは?評価やメリット、デメリットなど特徴を比較
ロボアドバイザーとは?
まずはロボアドバイザーについて紹介します。
投資となると自分で株式の銘柄や、金融商品を選び購入することとなりますが、たくさんの種類がありどの銘柄や商品を買えば良いのか初心者ではわかりません。そこで銀行や証券会社が株式や金融商品を組み合わせたものを販売しているのが投資信託で、個人に合わせて金融商品の選定や購入をしてくれるのがロボアドバイザーです。
個別株や投資信託は銀行や証券会社が取り扱っているのですが、ロボアドバイザーはWealthNaviやTHEOというロボアドバイザー専門の会社が取り扱っているのです。
ロボアドバイザーと投資信託の違い
すでに投資信託や株式投資をしたことがある人であれば気づくかもしれませんが、ロボアドバイザーと投資信託は少し似ているような感じがすると思います
しかし投資信託とロボアドバイザーにはちゃんとした違いがあるのです。
投資信託の場合は、株式や為替などその他の金融商品を銀行や証券会社側が組み合わせて、1つの商品として販売します。
ロボアドバイザーは、株式や為替などの組み合わせを利用者に対して個別に考えて、利用者に合わせた資産運用ができるシステムとなっています。
つまり投資信託はあらかじめ決められた商品を買うのに対して、ロボアドバイザーは利用者それぞれのポートフォリオを構築してくれるのです。
ロボアドバイザーでも損失・元本割れはある
WealthNaviではCEOである柴山氏が、実際にWealthNaviを利用して運用実績を公開しています。実績の一部ですが円建て(日本円での投資)の投資では、投資累計金額が432万円に対して503万円以上に増やしているのです。
WealthNaviの実績を見るとロボアドバイザーは16%の実績を出せていて素晴らしいと思うかもしれませんが、ロボアドバイザーも投資なので元本割れが発生するかもしれないのです。
元本割れとは、ロボアドバイザーの運用により損失が出てしまい、もともと投資をしていた金額を下回ってしまうことです。つまりロボアドバイザーで100万円を投資して運用した結果1年後に95万円となることもあり得るということです。
ただロボアドバイザーは個別に株式や為替に投資をするようなハイリスクなものではなく、投資先を分散してリスクを小さくしています。そのため急激に投資金額が減ったり、元本割れを起こして投資金額が半分になるようなことはそうそう起こりません。
ロボアドバイザーの場合、分散投資となるので損失が出てしまう時には日本だけが不況になった時ではなく、全世界が同時に不況となり経済が落ちこんでしまうときなのです。
ロボアドバイザーで損失対策!元本割れ回避
ロボアドバイザーで資産運用していたとしても損失が出てしまう。
100%ではありませんがロボアドバイザーで損失が出ないように対策を取ることは可能です。いくらロボアドバイザーと言っても、てきとうに運用していると損失が出てしまうのは投資の世界では当たり前。
ここからはロボアドバイザーで元本割れを回避するためにも、損失を出さないための対策を紹介していきます。
長期投資
まずは長期的に投資を続けることです。
長期投資となると短期間での利益は少なくなったり、一時的には損失が出てしまうこともあります。しかし長期的に全世界の経済は成長すると予測されており、現実でも右肩上がりでゆっくりではありますが成長しているのです。
そうすると長期的に投資を続けると、利益を出す確率も上がり損失を出しにくくなるのです。
それとそもそもロボアドバイザーのような様々な金融商品に投資をする場合、1つずつの商品に投資をする金額は少ないのです。そのため短期間で大きな利益はでません。
資産運用では短期的に高い利益を出すことではなく、長期的に安定して利益をだして資産を増やすことが大切なのです。
積立機能を活用
WealthNaviやTHEOなどのロボアドバイザーには積立機能があります。
積立機能とは、毎月決まった日に一定の金額をロボアドバイザーに入金をして運用していくサービスとなります。長期投資においては1回で大きく投資をしてしまうのではなく、数回に分けて投資をしていくほうが安定した運用を行なうことができるのです。
さらに積立機能は暴落時にこそ効果を得ることができるのです。暴落して株価などが下がった時にはどうしても損失が出てしまいます。そこで積立機能ならば暴落時にも一定金額を投資していくので、暴落前の価格に戻った時には利益を出しやすくなっているのです。
分散投資
分散投資をすることで損失を出してしまうリスクを下げることができるのです。
例えば日本の金融商品ばかりに投資をしていると、日本が不況となった時に運用資産が減っていく一方です。これが日本だけではなく米国や英国の海外金融商品を分散的に投資していれば、一国の経済が悪くなったとしても他国の経済は悪くなっていないので、全体的に損失を出しにくくなるのです。
もちろん国を分散するだけではなく、株価・為替・金・債券・不動産などの様々な金融商品に分散することも大切となります。
リスク許容度を変更
長期投資をするのであれば、「リスク許容度」を柔軟に対応させていくことが必要となります。リスク許容度とは、運用している金額のうち、どれくらいの損失を出しても受け入れることができるのかという程度を表します。
このリスク許容度は運用をする人、個人によって変更していかなければなりません。長期投資であれば一時的には損失が出てしまうことを許容して大きく設定する必要があります。そもそも運用資産が少ない人は、そこまでリスク許容度を大きくすることは難しいかもしれません。
もちろんこのリスク許容度は損失の面だけではなく、大きくリスクをとればリターンも大きくなるということです。そのため自分のスタイルに合ったリスク許容度に変更していく必要があります。
おすすめのロボアドバイザーは?
さてここまでロボアドバイザーの損失や元本割れ対策について紹介してきました。
対策を踏まえた上で、どのロボアドバイザーで運用を始めればよいのか、おすすめのロボアドバイザーを紹介していきます。
WealthNavi(ウェルスナビ)
ロボアドバイザーの会社で預かり資産・運用者数ともにNo.1であるのがWealthNaviです。
従来の資産運用では、資産のうちどの程度を運用して、どの金融商品を選んで、入金発注積立とやらなければならないことが多かったことを、全て自動化で資産運用してくれるのがWealthNaviです。資産運用の手間をゼロにしてくれ、スマホから手軽に確認ができるとともに、トップであるCEOが実際に自社のサービスを活用して個人的に運用して実績を開示しています。つまり人気№1で信頼できるロボアドバイザーがWealthNaviなのです。
THEO(テオ)
THEOの最大の特徴は最低投資金額の低さです。
WealthNaviと楽ラップが10万円からなのに対して、THEOは1万円から投資ができます。
つまりTHEOであれば毎月貯金をするように、毎月1万円ずつ投資をしていけるということです。貯金の金利では増えることがない現在では、貯金をしておくよりも増える可能性があるTHEOに投資をしたほうが賢いと言えるでしょう。
もしロボアドバイザーを使って資産運用を始めたいと思う場合は、THEOで投資を始めてみることをおすすめします。
楽ラップ
楽ラップはWealthNaviやTHEOのようなロボアドバイザーの会社ではなく、楽天証券が提供しているロボアドバイザーのサービスです。証券会社が出しているサービスということで運用に関しては安心感があります。楽ラップは他の2社にはない、手数料を「固定報酬型」と「成功報酬併用型」という2つのコースから選択できるロボアドバイザーです。
固定報酬型は運用資産残高に一定の比率を掛けた手数料を支払うタイプで、成功報酬併用型は固定報酬型に加えて一定期間の運用成果に応じた成功報酬を支払うタイプとなっています。ちなみに成功報酬併用型のほうが手数料は高くなるイメージがありますが、固定報酬型よりも固定報酬手数料が低く設定されています。
ロボアドバイザーの損失リスクに備えよう
現在では貯金をしていても、貯金が増えることはありません。逆にATMの手数料がかさむといったこともあります。それと将来老後のことなどを考えると、もらえる年金や貯金だけでは生活していくことが難しいことが目に見えています。
そんな未来を回避するためにも、貯金で眠っている資産を投資で運用した方が間違いなく賢い選択であることは間違いありません。自分で投資をしなくてもロボアドバイザーを使えば自分に合った投資方法で資産運用をしていくことが可能です。
もちろん老後までのことを考えなくても、今からロボアドバイザーで資産運用をしていけば将来的にお金が必要となった時に役に立ちます。
ロボアドバイザーの損失リスクについて理解しつつ、確実に資産を増やして将来につなげていきましょう。