
SaaS、PaaS、IaaSはクラウド関連用語として近年よく使われるようになりましたが、言葉が似ていてどのような違いがあるのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
SaaS、PaaS、IaaSの違いについて、それぞれのサービス例などを比較しながら解説します。それぞれがどのようなサービスなのかを理解しておきましょう。
SaaS(サース)とは
SaaS(サース)とは「Software as a Service」の略で、自分のパソコンにソフトウェアをインストールすることなくインターネットを介してサービスを利用するというものです。
特徴は、パソコンだけでなくスマホやタブレットなどの多様な端末からデータにアクセスすることが可能なほか、データをネットワーク上に保存できる、複数の人がデータを共有・編集を行えるということです。
このSaaS(サース)は、クラウド(クラウドコンピューティング)の1種であり、2006年~2008年頃からその名前を知られるようになってきたサービスです。
SaaS(サース)のメリット
SaaS(サース)のメリットには次のようなものがあります。
- パソコンだけでなくタブレット、スマホなど異なるデバイスでもアクセス可能
- ソフトウェアをパソコンにインストールする必要がない
- 複数人で同時に作業ができる
- 導入から利用開始までが早い
- インターネット環境があれば場所を選ばない
- コストの削減ができる
SaaS(サース)の具体例
SaaS(サース)の具体的なサービスには以下のようなものがあります。
- Google Apps(グーグルアップス)
- Salesforce(セールスフォース)
- chatwork(チャットワーク)
- カオナビ
- クラウド会計ソフトfreee
- Microsoft office 365
- Dropbox(ドロップボックス)
- LINE WORKS(ラインワークス)
- LINE店舗経理
PaaS(パース)とは
PaaS(パース)とは「Platform as a Service」の略です。
OS、ハードウェアなどのプラットフォームをインターネットを経由してサービスとして提供するものを指します。
アプリを稼働するための環境が整っているため、コストを抑えて開発に取り組むのに向いているサービスです。
このPaaS(パース)が登場したのは2007~2008年くらいと言われています。
PaaS(パース)のメリット
PaaS(パース)のメリットとしては、以下のようなものがあります。
- 開発期間の大幅な短縮
- 開発環境を1から整える必要がない
- 開発に集中することができる
- メンテナンスなどの手間を省くことが可能
PaaS(パース)の具体例
PaaS(パース)の具体的なサービスとしては以下のようなものがあります。
- Google App Engine(グーグル アップ エンジン)
- Microsoft Azure(マイクロソフト アジュール)
- IBM Cloud (アイビーエムクラウド)
- Amazon Web Services(AWS)
- Oracle Cloud Platform(オラクル クラウド プラットフォーム)
- App Cloud(アップクラウド)
IaaS(イァース/アイアース)とは
IaaS(イァース/アイアース)は「Infrastructure as a Service」の略です。
インターネットを介して、ストレージ、ハードウェア、仮想サーバーなどのインフラをサービスとして提供するもののことをいいます。
OSやスペック、さらにハードウェアなどを自分自身で自由に選択することができるのが大きな特徴です。
2006年頃から普及しはじめたと言われています。
IaaS(イァース/アイアース)のメリット
IaaS(イァース/アイアース)のメリットには、以下のようなものがあります。
- OSやスペック、ハードウェアなどを好みで選択できる
- 開発に必要な環境を準備する必要がない
- 自由度が高い
- コストを抑えることができる
IaaS(イァース/アイアース)の具体例
IaaS(イァース/アイアース)の具体的なサービスには、以下のようなものがあります。
- Google Compute Engine(グーグル コンピュート エンジン)
- Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)
- IDCF Cloud(アイディーシーエフクラウド)
- フリービットクラウドVDC
SaaS、PaaS、IaaSの違いは?
SaaS、PaaS、IaaSの具体的な違いについて解説します。
SaaS(サース)は、クラウドで提供されるソフトウェアで、パソコンやタブレットなどいろいろな端末からデータにアクセスできます。さらに、同時に複数人が編集、あるいはデータを共有することが可能という特徴があります。
PaaS(パース)は、クラウドで提供されるプラットフォームのことです。アプリを動かすための環境が整えられていて、アプリの制作に集中することができるという特徴があります。
IaaS(イァース/アイアース)は、クラウドで提供されるインフラのことをいいます。大きな特徴として、スペックやOS、さらにハードウェアなどを自分の好みに合わせて選択することができる、自由度が非常に高いというのが特徴です。開発するための環境を自分で用意する必要がないというのも大きな特徴。
このようにいずれもインターネットを通じてクラウドで提供されるサービスですが、SaaSはアプリケーションなどのソフトウェアに近い部分なのに比べPaaS、IaaSとなるにつれハードウェアの部分に近づいてゆくようにそれぞれのカバーしている領域に大きな違いがあります。
クラウドサービスは今後どうなっていく?
クラウドサービスは今後も進み成長して行くと考えられます。
今やクラウドサービスを利用することはあたりまえの時代になりつつあり、今後も導入する企業が増えるでしょう。企業のデータなどはそのほとんどがクラウドに保存されるようになる可能性が高く、すでにペーパーレスを進めている企業の多くでも導入されています。
今後は中小企業や小売などさらに多くの会社で導入されることも想像できるため、非常に注目される市場となるでしょう。
SaaS、PaaS、IaaSの違いを理解しておこう
今ではクラウドサービスを利用することがあたりまえの時代となり、クラウドサービスを利用することで業務の効率化やコストの削減などを期待することができます。
クラウドサービスの中で覚えておきたいのが、SaaS、PaaS、IaaSの3つです。
これらは、言葉は似ていますがその役割に大きな違いがあります。その違いをしっかりと理解して利用することをおすすめします。