GMOが355億円を特別損失、マイニング大手企業各社に苦難も乗り越えた企業は明るい未来?

GMOがマイニング事業で355億円を特別損失、その内訳

2017年よりマイニング事業に取り組んでいたGMOが、マイニングに関わる事業で特別損失を計上したことを発表しました。同社の発表によると。連結決算上、355億円の特別損失を計上する見込みであるとしています。

自社マイニング事業については、減損損失など115億円を確定させています。また、マイニングマシンの開発・製造・販売事業については、関連資産の売却による債権譲渡損など240億円の特別損失を確定させています。上記2つを合計して、約355億円です。

自社マイニング事業については、収益構造を再構築し、継続し、マイニングマシンの開発・製造・販売事業は、撤退をしています。

GMOは355億円を特別損失でマイニング大手企業各社に苦難、乗り越えた企業は明るい未来?

GMOは355億円を特別損失でマイニング大手企業各社に苦難、乗り越えた企業は明るい未来?

GMOは355億円を特別損失でマイニング大手企業各社に苦難、乗り越えた企業は明るい未来?
出典:GMO公式リリース

この特別損失の数字が非常にインパクトがある規模です。後発が、今後しばらくは日本からは生まれないだろうと感じざるを得ない数字です。

GMO全体では、純利益の4年分はき出し、アメリカで上場してたら株主から訴訟が起きても全然不思議じゃない規模といえるでしょう。

しかし、当時の彼らを見ていて、アグレッシヴに後発でBitmain(ビットメイン)のシェアを取りに行く姿は尊敬せざるを得ません。批判することは簡単ですが、彼らと同じシチュエーションで、撤退の意思決定も困難であり、これだけの資本を投下してマイニング市場を取りに行くと昨年に一度決断していた意思決定も簡単なものではありません。

また、マイニングハードウェア製造大手のBitmain社が、全従業員を50%以上カットしたことを報道しました(参考)。また、いくつかの事業部は部署ごとに撤退したことも認めています。これには、例えばイスラエルのR&D部門(研究や開発)などがあたります。

ここで、「Bitmain大したことなかったんだな」というような発言もちらほら散見されますが、同社がこの局面を乗り越え、ビットコイン(BTC)の価格が再び浮上した際には、同社はまた異次元な売上を記録するだろうし、ASIC製造事業はそういう種類のビジネスとして割り切るしかないのでしょう。

苦境乗り越えた企業は再び浮上する可能性

2014-2015年にも暗号通貨は大きな下落をしており、そのとき多くのマイニング企業は倒産しましたが、生き残った企業は2017年に大幅な売上を上げていました。

ちなみに、これが日本の企業だと解雇規制があって人員を50%カットなどという大規模な解雇はできません。そのまま倒産か、格安でどこか海外企業などに買ってもらう以外の選択肢がなく、今回のBitmainのようにスリムにしてこの荒波を乗り越えるという道を選ぶことはできません。

暗号資産相場全体の下落により、Bitmainだけではなく、短期間で大きく成長をしたブロックチェーン企業、例えばConsenSys(コンセンシス)も苦しい状況にありますが、どちらも今回乗り越えたら、それこそ後発が当分追いつけないほど強い基盤になっていると筆者は個人的に予想しています。

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