eスポーツのメリットとデメリットとは?スポンサー目線でも解説

ゲームを本格的に競技化したeスポーツには、いくつかのメリットやデメリットがあります。 それらはeスポーツに参加・投資する際に、必要な情報となるでしょう。

この記事では、eスポーツのメリットとデメリットを、参加者とスポンサー目線の2つの目線から紹介します。

eスポーツのメリットとは?

eスポーツの参加者目線でのメリットを紹介します。

誰でも気軽に参加できる

誰でも気軽に参加して楽しめる点は、基本的なeスポーツのメリットです。
年齢や性別、住んでいる地域などを問わないので、やる気さえあれば誰でもeスポーツに参加することができます。 そういった窓口の広さは、eスポーツが普及した理由にもなるでしょう。

学校の部活などをはじめとした団体での参加もしやすくなっているので、eスポーツにおける競技人口の増加と技術レベルの向上にもつながるというメリットがあります。
部活やクラブのようなコミュニティが増えれば、継続的に参加者が増加し、eスポーツ人口の安定にもつながるでしょう。

特別な競技場が必要ない

eスポーツはゲームソフトとそれを動かすゲーム機さえあれば、どこでもプレイを開始することができます。
陸上トラックやサッカーフィールドのような大規模な競技場が必要ないため、比較的に気軽に関連イベントを開催できるというメリットがあるのです。

世界大会のような大規模なイベントだけでなく、予算の少ない小規模なイベントも開催可能です。
日本国内でもeスポーツを使った地方イベントが活性化していて、例えば、大分県別府市の「BEPPU ONSEN LAN(別府温泉LAN)」や、JeSU(一般社団法人日本eスポーツ連合)などが主催する「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」などが、地方イベントとして人気になっています。

特別な競技場が必要ないというeスポーツのメリットは、こういったイベント開催の発展を促し、あらゆるコミュニティに良い影響を与えるでしょう。

コミュニケーションの一環になる

eスポーツによるゲームプレイは、コミュニケーションの一環にもなるというメリットがあります。
株式会社GameWithが行った「コロナ禍におけるゲームプレイ実態調査」によると、40.8%の方がゲームの効果として「友人・家族とのコミュニケーション活性」を挙げています。
その他、89%の方が「ゲームは人とつながれる遊びだと思いますか?」という問いにYesと答えていることから、コミュニケーションツールとしての有用性が実感されていると言えるでしょう。

さらにeスポーツはオンラインを通して世界とつながることができるので、気軽に国際的なコミュニケーションを行えるというメリットもあります。
言語の壁は「ゲームという共通言語」によって緩和されるため、世界のプレイヤーと交流を図ることも可能です。
このようなコミュニケーションのきっかけになる点も、eスポーツのメリットになるでしょう。

eスポーツのデメリットとは?

eスポーツのデメリットには、以下のような要素が考えられます。メリットと合わせて、デメリットもチェックしましょう。

対象タイトルが時代によって変化する

eスポーツの競技として採用されるゲームソフトは、時代によって変化する可能性があります。 そのため長い時間をかけてeスポーツの練習をしたのに、主流が新しい別のゲームに移ってしまうということも考えられるのです。

現在、eスポーツの大会では定番となっているゲームソフトがいくつもありますが、それが数年後も現役であるとは限りません。
そういった変化についていかなければならない点は、eスポーツを複雑化するデメリットになるでしょう。

健康面への不安

eスポーツに没頭することが、健康面に悪影響を与えるのではという疑念もあります。 ゲーム依存や運動不足など、健康を害する問題に発展する可能性が心配されてしまう点は、eスポーツのデメリットになるでしょう。

2019年にWHO(世界保健機関)は、ゲームによって日常生活に支障が出る「ゲーム障害」を精神疾患として位置付けました。
今後はこういった健康への指摘に対してどのように応えていくのかも、eスポーツの発展に関わっていくでしょう。

スポーツとして理解を得ることが難しい

eスポーツは多くの技術を必要とするスポーツ的な要素を持つ競技ですが、必ずしもその特性が周囲に理解されないことがあります。

株式会社エアトリが行ったeスポーツに関する調査によると、「ゲームをスポーツの一種として捉えることに対してどう思うか?」に対して、ほとんどの年代で「違和感がある」と回答されています。
30代以下でも38.5%が「違和感があり、納得できない」、40.4%が「違和感があるが、納得できる」という厳しい結果になっているのです。

こういった認知がされているため、スポーツほどの社会的地位を獲得するまではまだ時間がかかるかもしれません。

eスポーツのスポンサーになるメリットとは?

eスポーツのスポンサーになることにも、多くのメリットがあります。 スポンサー目線でどのようなメリットがあるのかも、以下で確認しましょう。

イベントなどの集客力に期待できる

eスポーツはゲームプレイをきっかけにイベントを開催できるので、高い集客力があります。
例えば、「Toyama Gamers Day 2019 / 5G Coliseum」は、約3,500人の来場者と約700人のプレイヤーを集めました。 プレイヤーのうちの4割の方が県外からやってきたということも、eスポーツの集客力の高さを証明しています。

今後新型コロナウィルスが落ち着いて海外プレイヤーもターゲット層に加えられれば、インバウンド需要にも期待ができます。 そういったイベント関係の集客力の高さは、スポンサーにとってのメリットになるでしょう。

プロゲーマーの影響力で商品PRが可能

eスポーツで活躍するプロゲーマーの影響力を利用して、商品PRを行えるのもスポンサー目線でのメリットです。
プロゲーマーは特に若年層に大きな影響力を持つため、スポンサーとして商品やサービスを提供することでその認知度を高めることができます。

プロゲーマーを経由した「インフルエンサーマーケティング」で、商品PRを行うことも考えられるでしょう。

市場規模のさらなる拡大に期待できる

eスポーツはまだ市規模が拡大途中なので、今後さらなる発展に期待できます。 そういった将来性のある市場に参加することは、スポンサーにとってのメリットになるでしょう。

2019年のeスポーツ市場規模は「株式会社KADOKAWA Game Linkage」のデータによると61.2億円となり、これは前年比の127%という高い数字です。
ファン数(動画の視聴や試合の観戦経験者)も2019年には483万人と高く、こちらも前年比126%という高い伸び率を記録しています。

今後はさらに次世代通信規格「5G」による快適なオンライン対戦が普及していくので、2023年には150億を超えるという予測がされています。
今からスポンサーとして参加することで、このeスポーツ市場の勢いに乗ることができるかもしれません。

eスポーツのスポンサーにはどんな企業がある?

eスポーツのスポンサーとして参加しているのは、以下のような企業があります。

EVO JAPAN 2019の場合

NTTドコモ、日清、Twitter、日産自動車、久光製薬、ベスト電器など

第1回全国高校生eスポーツ選手権の場合

イオンエンターテイメント、ロート製薬、インテル、デンソーなど

e BASEBALL パワプロ・プロリーグ 2018-2019

ソフトバンク、日本コカ・コーラ、三井住友銀行、ローソングループなど

このようにゲームと直接関係のない企業も、スポンサーとしてeスポーツのイベントに協賛しています。
今後もどのような企業が参加するのかが、注目の的になるでしょう。

eスポーツのオリンピック開催された場合のメリットとは?

eスポーツは今後、オリンピックの正式種目になることにも期待されています。 もし、eスポーツのオリンピックが開催された場合にどんなメリットがあるのか紹介します。

業界のさらなる発展につながる

オリンピックの種目としてeスポーツが選ばれることがあれば、関連業界はさらなる発展が進められるでしょう。

正式にオリンピックに参加できれば、大会のテレビ中継などによってメディアへの露出が増えることが予想できます。
それは認知度の上昇につながり、参加ユーザーの増加や市場規模の成長を促すことになるでしょう。

業界全体が大きくなる点は、eスポーツがオリンピックに選ばれた際のメリットです。

eスポーツの定義を示す指針になる

eスポーツの定義が明確になる点も、オリンピックに参加するメリットです。 オリンピックに出るということは、スポーツの1つとして認められたと考えることができます。

明確にスポーツの一種になれば、プロゲーマーの職業地位の向上や、学校などの教育期間への導入といったことにもつながるでしょう。
スポーツとして認められるきっかけになる点も、eスポーツがオリンピックで開催されるメリットです。

オリンピックという目標ができる

4年に1度のオリンピックは、eスポーツに関係する選手やスポンサーにとっての目標になります。
オリンピックを目指して努力をする部活や、オリンピックのために技術開発を進める企業が増えれば、業界全体が活性化するでしょう。

オリンピックの代表選手を決める大会の実施など、新たなイベントの発足にもつながります。 大きな目標が作られるという点でも、オリンピックへの参加はeスポーツのメリットになるでしょう。

eスポーツは教育現場にもメリットがある!

eスポーツは企業だけでなく、教育現場にもメリットがあります。 eスポーツは、集中力や思考力の向上や、チーム活動の大切さやコミュニケーションの方法を学ぶことにつながります。

実際にヨーロッパや東南アジアでは、eスポーツを教育現場に取り入れる事例が増えてきています。

日本でも私立ルネサンス高等学校が、日本で初めてeスポーツコースを開設した高校として知られています。 また、OCAOCA大阪デザイン&ITテクノロジー専門学校が、日本で初めてプロゲーマーを目指せるeスポーツ専門学校として話題になりました。

その他、eスポーツを行う部活動の浸透や、高校生を対象にしたeスポーツのイベント「全国高校eスポーツ選手権」が開催されるなどの発展を見せています。 将来的にはより教育現場に近い場所で、eスポーツが見られる日が来るかもしれません。

eスポーツのメリットとデメリットを理解しよう

eスポーツにはいくつかデメリットもありますが、メリットや魅力の方が多いコンテンツになっています。

将来性にも期待ができるので、この機会にどんなメリットやデメリットがあるのかを、スポンサー目線も含めてチェックしてみてください。

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