
未来の年金不安・終身雇用制度の崩壊などが叫ばれる中、ここ数年で若者向けの資産運用サービスが大きく取り上げられています。
しかし、「投資は難しい」などネガティブなイメージが先行しているため投資は敬遠されがちです。
そんなイメージを払拭するサービスとして生まれたのが「ロボアドバイザー」という投資手法。
少額出資で安定した資産運用を行えることから、若い世代に大変人気です。
今回は、ロボアドバイザーの概要とサービスの紹介、つみたてNISAとiDeCoとの併用についても触れながら解説します。
ロボアドバイザーとは?評価やメリット、デメリットなど特徴を比較
今話題のロボアドバイザーがおすすめ!
ロボアドバイザーは、若い世代を中心に人気を集めています。
ロボアドバイザーとは?
ロボアドバイザーとは、投資をする上で行う「商品選び」から「売買」までを一任できる人工知能(AI)を活用したサービスです。AI投資の一種であり、最近では「ロボアド」とも呼ばれ注目されています。
ロボアドバイザーの種類
ロボアドバイザーの種類は主に以下の2つに分けられます。
投資アドバイス型
投資に対するリスク許容度を診断後に、資産運用の最適な配分をアドバイスします。
ユーザーは、パソコンやスマホ画面からサービス画面にログイン、「資産運用の目的」「運用期間」「目標額」「リスク許容度」などの複数の質問に回答。
質問の回答を分析して、最適なポートフォリオの運用案を提案してくれます。
アドバイス型は、資産運用の助言役に徹しています。
投資の発注や運用、運用途中における資産配分の変更など、実践的な作業はユーザー本人が行うのです。
投資一任型
運用助言だけに徹する「アドバイス型」と比較して、「投資一任型」は資産運用の助言にプラスして、投資における実際の発注や運用、また、運用途中における資産配分の変更など実践面までを行います。
ロボアドバイザーのメリットは?
次に、投資一任型のロボアドバイザーに絞ってメリットを挙げます。
仕事で忙しくでも資産運用が可能
投資一任型のロボアドバイサーは、実際の発注から運用、資産配分の変更まで全て行います。
その為、仕事が忙しく資産運用に当てられる時間がない方に、おすすめのサービスです。
リバランスなどの運用開始後の修正も行なってくれる
投資配分をリバランスには、ある程度の投資知識が必要です。
しかし、投資初心者の方には難しく感じる部分でしょう。
ロボアドバイザーであれば、このような専門的な部分も自動的に行なってくれるメリットがあります。
主なロボアドバイザーサービス
次に、各ロボアドバイザーサービスの特徴を解説します。
Wealth Navi(ウェルスナビ)
ウェルスナビでは、運用投資を始める前に「年齢」「年収」「金融資産保有額」「毎月の積立額」「投資目的」「急落時の対応」の6項目に回答。投資者のリスク許容度を判断し、7つのETFから、利用者1人1人に合ったポートフォリオを作成・運用します。
また、自動で税金を最適化する自動税金最適化機能(DeTAX)が利用できるのも特徴のひとつ。
この機能を利用することで、ポートフォリオ内に損失が発生している銘柄が存在していた場合、損失銘柄を同数量買い増しすることで税金を繰り延べすることも可能です。
THEO(テオ)
THEOでは約40種類のETF(上場投資信託)でポートフォリオを構成しています。
THEOに証券口座を解説し、投資一任契約を結ぶと、「年齢」や「就業状況」、「金融資産額」に応じて自動的に資産運用方針を設定。
資産運用方針の設定をTHEOに任せれば、年に1回、市場の変化や年齢に応じて資産運用方針を自動的に変更してくれます。
そのため、特別な株の知識がなくても資産運用が可能です。
楽ラップ
楽ラップは楽天証券が運営しているロボアドバイザーサービスです。
独自の特徴としては2つの手数料を選ぶことが可能。「固定報酬型・成功報酬併用型」が用意されています。
おすすめは「固定手数料」で手数料ずっと、0.702%と割安です。
また、「下落ショック軽減機能(TVT機能)」がついています。株式市場の値動きが大きくなり、その状況が継続すると見込まれる場合に一時的に株式の投資比率を下げ、債権の投資比率を上げるリバランスを行うことで資産全体の値動きのブレを軽減します。
つみたてNISA、iDeCoとは?
ここまではロボアドバイザーの概要からメリットなどについて解説しました。
次に「つみたてNISA」と「iDeCo」について解説します。
つみたてNISA(ニーサ)
つみたてNISAとは、2018年1月に開始された、少額資金からの投資をサポートする制度です。
つみたてNISAは年間で40万円までの投資信託の積み立てを行うことが可能。積立金額は仮に1年間で月々積み立てる場合、33000円ほどの金額が上限です。
少額の積み立てになりますが、非課税期間は従来のNISAと比較しても、20年と長い点もメリットと言えます。
iDeCo(イデコ)
iDeCoとは「個人型確定拠出年金」のことであり、自身で掛け金を拠出し、自らが運用方法を選び、掛金とその運用益との合計額をもとに給付を受けることが可能です。
ロボアドバイザーをつみたてNISAで活用
ロボアドバイザーを「つみたてNISA」で活用する場合、アドバイス型ロボアドバイザーのみ可能です。
NISAをロボアドバイザーで活用するメリットとしては「利益に税金がかからない」ことが挙げられます。
NISA口座で運用した金融商品の利益に対しては税金が発生しないのです。つまり、確定申告も必要ありません。
しかし、NISA口座は損益通算が出来ないデメリットがあります。
例えば、100万円の利益、50万円の損失が出た場合、NISA口座でなければ「100 – 50万円 = 50万円」に対して約20.315%の税金が課せられるのです。
NISA口座の場合、50万円の損失が出たのがNISA口座だった場合、100万円全てに対して約20.315%の税金が掛かります。
おすすめのロボアドバイザーとして、松井証券「投信工房」、SBI証券「SBIファンドロボ」、みずほ銀行「SMART FOLIO」を覚えておきましょう。
ロボアドバイザーをiDeCoで活用
iDeCoは、基本的には自分自身で投資運用を進めるものですが、近年はロボアドバイザーを導入してサービス提供するパターンが増えています。
新生銀行が提供している「iDeCo」は、株式会社「お金のデザイン」が提供しているロボアドバイザーサービス「THEO」と提携し、投資初心者がiDeCoで投資をするハードルを下げています。
自動的に運用を行ってくれる為、手間が掛からない点はメリット。一方で、取引を行うことで手数料が発生するのがデメリットと言えるでしょう。
ロボアドバイザーとNISA・iDeCoを併用しよう
今回は、ロボアドバイザーの概要からNISA・iDeCoをロボアドバイザー活用例まで解説しました。
投資と聞くと、多くの人が難しく考えてしまいがちです。
しかし、その難しい部分をロボアドバイザーが行ってくれるため、投資の考え方が大きく変わったと言えるでしょう。
この機会にロボアドバイザーで投資を始めてみてはいかがでしょうか?