
ビットコインの先行きにはさまざまな予想が行われていますが、多くの人が明るい見通しを立てることが増えてきています。
その要因のひとつに「ビットコインETF」があり、今改めてその存在に注目が集まっているのです。
ビットコインETFを知ることは、仮想通貨業界の今後を知ることにつながり、投資による利益を獲得する結果をもたらすかもしれません。
これからの仮想通貨について詳しくなるためにも、こちらでビットコインETFについてチェックしておきましょう。
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ETF(Exchange Traded Fund)とは?
ETFとはExchange Traded Fundの略称で、投資信託の種類の一つとして数えられます。
上場投資信託と言われることもあり、通常の投資信託とは違いさまざまな指数と連動するのが特徴です。
基本は投資信託と同じ複数の投資家から資金を集めて投資するシステムですが、ETFは特定の指標を目指す「パッシブ運動」が行われるため、日経平均株価や東証株価指数、NYダウなどと合せるように運用されます。
例えば日経平均株価に連動するETFへの投資は、その市場全体への投資と同じ意味を持つのです。
保有費用の安さや値動きの把握しやすさなど多くのメリットを持つため、広く利用されている投資方法となっています。
気軽に分散投資が行えるという点から、投資家はもちろん一般層による活用も検討されやすい方法です。
投資信託の利用を考えているのなら、ETFは非常に魅力的な金融商品になるでしょう。
ETFと一般的な投資信託との違い
ETFは投資信託と合わせて考えられることが多いですが、一方で多くの違いを持つ金融商品でもあります。
例えば以下のような点が、ETFと一般的な投資信託の主な違いになるでしょう。
ETF(上場投資信託) | 上場されていない投資信託 | |
---|---|---|
購入価格 | 市場価格(リアルタイムの価格) | 基準価格(1日1回算出される) |
購入方法 | 証券会社に口座を開設して購入) | 特定の販売会社(郵便局や銀行など)を通して購入 |
売却方法 | 証券会社が市場に売り注文を行う | 特定の販売会社に「解約請求」「買取請求」を申請 |
売却期間 | 取引所の営業時間中であればいつでも | クローズド期間外(クローズドエンド型の場合は解約不可) |
ETFは通常の株式投資と同じ形で取引が行えるため、かなり扱いやすい投資方法となっています。
その他にも以下のような特徴があります。
- 成行、指値注文が可能
- 信用取引が行える
- 各種手数料が安くなりやすい
- 取引単位が決められている(取引価格×1取引の単位)
など、ETFの独自の魅力となっています。
ビットコインETFとは?
上記のような特徴を持つ上場投資信託に、ビットコインを投資の対象に含めた商品を、「ビットコインETF」と呼びます。
これまで「投機」の対象であったビットコインが、ETFに承認されることで「投資」を行う商品に変わるのです。
それは長期運用やリスクのコントロールを可能とし、仮想通貨の新しい「在り方」を作り出すきっかけになります。
ビットコインETFは、現物価格や先物価格に合わせて連動し、価格が決定されるようになると予想されています。
そのためETFの一部に組み込まれれば、ビットコインに興味を持つ投資家が増え、その期待値が膨れ上がると想像できるでしょう。
仮想通貨業界全体の市場拡大にもつながることから、今ETFへの注目が集まっているのです。
ビットコインETFのメリット
ビットコインETFはその特徴から、さまざまなメリットを持つ金融商品になり得ます。
特に以下のような点は、ビットコインの新しい展開につながる可能性を秘めたメリットになるでしょう。
仮想通貨の信用が向上
ETFを取り扱う証券取引所への上場を果たすには、トレードにおける透明性やセキュリティの安全性などの基準をクリアし、「安全である」という認定を受けなければなりません。
そのためビットコインETFの実現は、仮想通貨そのものの信用を高め、安心して利用できる商品への進歩を意味します。
「ビットコインに投資するのは不安」と考えていた人たちを引き入れるきっかけになるため、信用の向上には大きなメリットが見込めるでしょう。
機関投資家による資金の流入が見込める
ビットコインETFが一般的な投資対象となれば、機関投資家による資金の流入に期待できます。
投資信託を行っている投資家が、資金運用先にビットコインを選択すれば、その分市場に良い影響が起こり得るでしょう。
通常の仮想通貨取引所などは、投資家保護の名目によって投資が難しいですが、ETFに上場していれば、
立派な投資対象として資金を振り分けることができます。
ビットコインETFには、今後潤沢な資産を運用できる機関投資家を招く可能性があるのです。
信用取引が可能に
ETFでは信用取引が可能となるので、売りから市場に入ることができます。
価格が下落しているタイミングでも利益を上げやすくなり、取引の自由度が高まるでしょう。
信用取引が行えると価格の下落時にも市場が賑わうため、活発なトレードが進行します。
これまで以上に取引が成立する可能性が高まれば、利用者はさらに増えるでしょう。
税負担が減少する可能性も
ビットコインETFが成立すれば、税金面の負担軽減というメリットが生まれます。
ETFは金融商品になるため、「申告分離課税」として一定の税率が適用されることになるのです。
これまでの仮想通貨が該当していた「雑所得」では「累進課税方式」が採用されているので、所得が増えるほどに税金も高くなります。
そのためETFとして金融商品になることが、税負担の減少につながるのです。
ビットコインETFは申請中
さまざまなメリットを持つビットコインETFですが、現在は上場申請の最中であるため、実際に取引することは不可能です。
アメリカの証券取引委員会(SEC)がビットコインを承認しないかぎりは、ETFとして仮想通貨を取り扱うことはできません。
これまでに何度もビットコインETFの申請は行われてきましたが、どれもが却下され、その後の再審査止まりなのが現状です。
これまでにあった申請
過去の事例を見てみると、いかにビットコインETFが苦難の道のりを歩んでいるのかがわかるでしょう。
ウィンクルボス兄弟
仮想通貨界隈では有名なアメリカ人のウィンクルボス兄弟は、2017年3月にビットコインETFの申請を行いました。
結果はSECによって却下され、2018年にはビットコインに対する懸念点が公表されます。
ウィンクルボス兄弟はその結果を受けて、SECの要望を満たすために、一時は申請を取り下げました。
しかし再び申請に臨む意欲はあるようで、今後の進展に期待できる可能性はあります。
CBOE(シカゴ・オプション取引所)による申請
CBOE(シカゴ・オプション取引所)は2018年3月に、ビットコインETFの申請を行います。
複数のファンドもそれに追従する形で申請を進めますが、結果は同じく却下となりました。
2019年になってからも申請→取り下げ→再申請が行われているため、SEC側の判断に注目が集まっています。
2019年7月時点ではETFの承認は叶っていませんが、積極的に推し進める動きはあるため、今後も期待が高まるでしょう。
ビットコインETFの今後は?
ビットコインETFはこれまで立て続けに申請を却下されてきましたが、SEC内でも意見が割れているようで、承認の延期や一部の申請についての判断保留が行われています。
申請を行う側も改善に向けての動きを加速させているので、今後は上場申請に対してさらに具体的な回答が行われるかもしれません。
なぜ延期や保留が繰り返されるのでしょうか。
それはSECが慎重にビットコインの調査を行っているからだと想像でき、裏返せばそれだけ重要な内容であると考えられている可能性があります。
近年では仮想通貨が世界的にさらなる広がりを見せているため、SECもさらに本腰を入れてETFの申請を検討することもあり得るでしょう。
特に「投資家に対する保護」「価格操作の問題」「不正や詐欺行為への監視方法」といった点の解消が見られれば、本格的にビットコインETFの採用が近づくかもしれません。
期待は高まっているので、今後も変わらずビットコインETFの展開をチェックし、SECや申請している側からの情報提供を待ちましょう。
ビットコインETFに期待が高まる!?
ビットコインETFは仮想通貨業界の今後を左右する、ビックプロジェクトのひとつです。
今後の流れによっては取引の手段や常識が、大きく変わっていく可能性があります。
この機会にETFという形式を確認して、詳細を学んでおくことがおすすめです。
いざビットコインETFが承認されたときにいち早く動けるように、今から準備を進めてみましょう。