リップル(Ripple)の投資部門であるスプリング(Xpring)が10月30日、ID認証テクノロジーを開発しているキーレス(Keyless)に投資したことを情報フォーラムのコイル(Coil)で発表した。
プライバシーの再開発へ
発表によるとXpringは、価値のインターネット(IoV:Internet of Value)のような新しい技術の採用とアクセシビリティを最優先事項だと前置きした上で、ID認証テクノロジーから見るとアクセシビリティは特に困難だと説明している。
ツイッター上にあるXpringのアカウントでも、「今日私たちはXpringネットワークにKeylessを歓迎します。サービスとして認証を提供することにより、チームがどのようにプライバシーを再開発するのか読んでください」とコメントしている。
6つの分野に普及する可能性のKeyless
Keylessはニューヨーク・ロンドン・シンガポールの3か所を拠点としている企業である。同社のウェブサイトでは、「業界での競争上の優位を与えるために、Keylessはあなたの組織の認証と識別を変えられる」と説明している。
また自社の強みとして、シームレスなトランザクション・機密データの暗号化などを挙げている。これらの強みから生まれるユーザーエクスペリエンスの向上からKeylessは、今後普及する業種として金融&バンキング、フィンテック&ブロックチェーン、旅行、政府&行政、不動産&自動車、航空宇宙&防衛の6分野を紹介した。
認証方法だけではなくサーバー攻撃への負担軽減にも期待
Xpringは発表の中で、Keylessを安全なマルチパーティ計算を活用する最初のバイオメトリック認証およびID管理プラットフォームと説明している。
ユーザーのセキュリティとプライバシーを優先することをKeylessの使命とした上で、生体認証技術の進歩を活用することによりKeylessのディープテクノロジーは、パスワード・秘密の答え・リカバリーフレーズなどの弱い認証方法への不要な依存は根絶するだろうと、今回の投資の理由を語った。
また、集中サーバーは頻繁に攻撃の標的となっているということに触れている。その上でKeylessのテクノロジーによって、集中サーバーに機密データを保存する組織の負担を取り除くとしている。
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文:かにたま