
透明性が高く実用的な仮想通貨市場とネットワークデータの提供を目指しているコインメトリクス(Coin Metrics)が5月17日、自社サイト内のブログでリップル(Ripple)のエスクローシステムに関する分析を発表しました。
このブログ内でコインメトリクスは、リップルがこれまでに公表した説明やレポートとXRPレジャーに表示されているデータの間に3つの矛盾・不明点があると指摘しています。
リップルのマーケットレポートの矛盾点とは?
エスクローシステムとは、売り手と買い手の間に信頼できる第三者を挟むという方法です。リップルのエスクローシステムでは、リップルの保有する550億XRPの解放と同時に使われていないXRPの回収も行っています。
エスクローシステムによって解放されたXRP及び回収されたXRPは、四半期ごとにリップルの公式サイト内でマーケットレポートとして公表されていました。これに対してコインメトリクスは、2018年第3四半期と2019年第1四半期のマーケットレポートに記載されている回収されたXRPの数量が誤っていると指摘しています。
2018年第3四半期のマーケットレポートでは、30億XRPがエスクローから解放され26億XRPがエスクローに戻されたという報告になっています。しかしコインメトリクスは、25億XRPがエスクローに戻されたと指摘しています。2019年第1四半期のマーケットレポートは、30億XRPがエスクローから解放され23億XRPがエスクローに戻されたと報告されています。これに対してコインメトリクスは、22億XRPがエスクローに戻されたと指摘しています。
リップルの最高技術責任者(CTO)「タイムラインの問題」
リップルの公式サイトでは、エスクローシステムによって回収されたXRPは55ヶ月目に期限切れになるよう配置されていると説明されています。
これに対してコインメトリクスは、リップルの説明では56ヶ月目に解放されるはずのXRPが55ヶ月目には既にエスクロー解除されるよう指定されていると指摘しました。これによりリップルが発表したXRP配布期間より21年以上も短くなると説明しています。
また2億XRPの処分を担当していたエスクロー解放スキームの中から5,500万XRPがリリースされ、ロンドンにある仮想通貨取引所ビットスタンプ(Bitstamp)に移動していることもコインメトリクスは合わせて報告しています。
We tweaked the timeline in 2018 to reflect transactions that happened each month of the quarter rather than linking returns to date of initial escrow release. Ex: a March escrow release returned in April is considered a Q2 event, not Q1.
— David Schwartz (@JoelKatz) 2019年5月17日
リップルのデイビッド・シュワルツ(David Schwartz)最高技術責任者(CTO)は今回のコインメトリクスのレポートに対して「単純にタイムラインの問題だ」とツイッターに投稿。続けて「今後のマーケットレポートに補足のコメントを追加する予定で、業界で最も透明性の高い存在になるべく努力を続けていく」とコメントしていた。
【こんな記事も読まれています】
・リップル(Ripple)に「世界を変えるアイディア賞」、国際送金のコスト削減に貢献
・仮想通貨取引所ビットベイでリップル(XRP)が一時約85円まで高騰ク
・リップル(XRP)をGmailで送金!MoneyMessageの使い方を解説!
参考
・Coin Metrics
文:かにたま